領域名称: 臨床医学2 (2024年度)

領域責任者狩野 修

領域について

 各ユニットに関連する病態生理、症候、診察法、検査所見、治療法について総論的な知識を踏まえたうえで、2つのユニットの各疾患の概念、分類、病因、症状、合併症、診断(検査)手順、薬物・非薬物治療法を理解し、臨床実習に向けた基礎知識の修得を達成する。学習目標の詳細は各ユニットの学修目標を参照のこと。
 
 医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度版)のD-1,D-2,D-7,D-12,E-3, E-4の6項目に該当する。
 
 臨床医学2の領域は
 サブ領域①:消化器系、脳・神経系の病態生理、症候、診察法、検査所見、治療法について理解する。
 サブ領域②:血液病学、腫瘍学、膠原病・アレルギー病学、代謝・内分泌系の病態生理、症候、診察法、検査所見、治療法について理解する。
 
 

領域の評価について

 臨床医学2は「臨床医学2-①」(講義)と「臨床医学2-②」(講義)の2つのサブ領域からなる。
 両方のサブ領域のGPA 評価がグレード C 以上の場合に、この領域が合格となる
 

サブ領域名称: 臨床医学2-② (2024年度)

サブ領域責任者弘世 貴久

サブ領域について

臨床医学2-②領域は、臨床医学Ⅱのサブ領域である。
 
 臨床医学2-②サブ領域は、血液学(D-1)、腫瘍学(E-3)、膠原病・アレルギー病学(E-4)、代謝内分泌学(D-12)(カッコ内のアルファベット、番号は医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度版)の中項目名)の4つのユニットで構成される。
 
  各ユニットに関連する病態生理、症候、診察法、検査所見、治療法について総論的な知識を踏まえたうえで、4つのユニットの各疾患の概念、分類、病因、症状、合併症、診断(検査)手順、薬物・非薬物治療法を理解し、臨床実習に向けた基礎知識の修得を達成する。学習目標の詳細は各ユニットの学修目標を参照のこと。

ユニット名称:[MM635-301J]血液病学(2024年度)

ユニット責任者三上 哲夫
ユニット対象学年3 ユニット授業期間 ユニット時限数13 ユニット分類講義

ユニットについて

血液細胞は造血幹細胞(hematopoietic stem cell)に由来している。造血幹細胞は自己複製能と多分化能という2つの機能を有し、全ての系統の血液細胞に分化できる。“全ての系統の血液細胞“とは赤血球、白血球、血小板をさし、これらの主たる産生の場は骨髄である。胎生期での骨髄外での造血と出生後の造血、さらに加齢に伴う造血の変化について、骨髄の機能を中心に理解する。また血液の構成成分や様々な血液細胞の機能について、その細胞の分子構造と機能面から理解する(D-1-1, 2)。血液疾患は、赤血球系疾患、白血球系疾患、巨核球系疾患の主に3分野に分類されるが、近年は腫瘍と非腫瘍の2つに大別されることが多い。非腫瘍性の血液疾患は、自己抗体の産生など免疫学的機序による造血障害や造血に必要とされる様々な因子の欠如あるいは過多によって生じる。難病指定されている疾患が多く、社会的な側面や医療経済的視点からの理解を深める(D-1-4-1, 2, 3)。一方、造血器腫瘍では、近年病因や責任遺伝子の存在が明らかになり、新たな作用機序の治療が開発され、予後が飛躍的に改善されている。特に基礎医学研究の進歩によって病因が解明され、遺伝情報・ゲノム情報に基づいた診断と治療法が開発されている。古典的な化学療法だけでなく分子標的薬や免疫治療の研究・開発がすすみ、その効果が報告されている。代表的な造血器腫瘍の症状や診断方法を学習するとともに、近年注目されている新規治療法についてその作用機序や医療経済的効果について理解する(D-1-4-4)。指定教科書の朝倉内科学Ⅴ 17-2章 造血のしくみ、17-3章 血球動態と機能に目を通してから講義に臨むと一層の学修効果が期待できる。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

本科目を受講するにあたり血液学の基礎知識を持って臨む。
1.造血のしくみを理解する(朝倉内科学V-p4-9)。
2.赤血球・白血球・血小板の動態と機能を理解する(朝倉内科学V-p9-22)。
3.赤血球系疾患の総論を理解する(朝倉内科学V-p62-67)。
4.白血球系疾患の総論を理解する(朝倉内科学V-p97-100)。
5.血小板減少症と血小板増加症の病態生理および鑑別を列挙できる(朝倉内科学Ⅴ-p147-150)。
6.凝固系活性化カスケードと線溶機構を確認する(朝倉内科学血液学Ⅴ-p22-25)。
7.播種性血管内凝固、血栓性血小板減少症、血友病、von Willebrand病を知る(朝倉内科学Ⅴ-p155-168、疾患名だけでも確認する。)

ユニットの評価について

出席に関しては大学規定に従う。授業出席日数に関しては補講・レポート提出による補填は行わない。
授業受講後は出席確認テストに回答する。採点し、解説コメントを確認することで学習効果を高める。
また誤解についての解説や模範的解答などを講義内の資料に提示し説明する。
Ⅲ期末に実施される試験では、臨床医学2-②(血液学、腫瘍学、膠原病・アレルギー病学、代謝内分泌学)
サブ領域全体の22%を配分されている。試験方法はMCQ形式と筆記形式とする(MCQ 1/2、記述 1/2)。
定期試験で基準を満たさなかった場合、2月に再試験を行い最終合格判定とする。試験方法はMCQ形式と筆記形式である。

指定教科書他

指定図書;内科学第12版 Ⅴ-17 血液・造血器、2022年出版、朝倉書店、ISBN:978-4-254-32280-4

参考図書;
血液専門医テキスト 改定第4版、2023年出版、南江堂、ISBN:978-4-524-20371-0
造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版、第3版、金原出版、ISBN:978-4-307-10224-7
造血幹細胞移植診療実践マニュアル 改訂第2版、2022年出版、南江堂、ISBN:978-4-524-23174-4



授業日程一覧(ユニット名称:血液病学) (2024年度)

コマ数形態授業タイトル
1 講義血液学総論(造血機能、血液細胞、検査)
2 講義造血器腫瘍総論(WHO分類、病期と予後予測、治療)
3 講義貧血(小球性貧血、溶血性貧血、大球性貧血)
4 講義造血不全症(再生不良性貧血、赤芽球癆、骨髄異形成症候群)
5 講義急性白血病 1
6 講義急性白血病 2
7 講義悪性リンパ腫(Hodgkinリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、成人T細胞白血病・リンパ腫)
8 講義多発性骨髄腫と類縁疾患(マクログロブリン血症、MGUS、アミロイドーシス)
9 講義骨髄増殖性腫瘍と無顆粒球症
10 講義慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病
11 講義出血性疾患と血栓傾向 1
12 講義出血性疾患と血栓傾向 2
13 講義輸血療法と造血幹細胞移植
評価臨床医学2-②(10:00~12:00・3実)
評価臨床医学2-②(再)(10:00~12:00・多目1)
評価臨床医学2-②(最終)(10:00~12:00・多目1)