領域について
単に医学的な知識を有しているだけでは、東邦大学が求める「良き臨床医」にはなれない。
1年生から6年生を通してspiral learning としておこなわれる全人的医療人教育では、良き臨床医として全人的な医療を実践するために、自ら問題を抽出し課題を解決する能力、社会および医療における倫理的問題の抽出と適切な対応能力、周囲との協調性とコミュニケーションをとる能力、医療人としての公益性・道徳性・専門性を修得する。
4年生は臨床実習に参加する学年であり、今まで培った知識と技能を、医療現場と患者の存在に結び付ける段階である。
【学修目標】
医療の現場で起こりうる場面で、患者やその家族の尊厳・意志を尊重した適切な対応を理解する。
領域「全人的医療人教育4」のサブ領域は「全人的医療人教育4」であり、サブ領域は3つのユニット「倫理」「コミュニケーション」「プロフェッショナリズム」からなる。
【該当する医学教育モデル・コア・カリキュラムの大項目】
A 医師として求められる基本的な資質・能力
領域の評価について
全人的医療人教育(領域)に属するすべてのサブ領域が、GPA評価でグレードC以上で、この領域が合格となる。
サブ領域について
サブ領域「全人的医療人教育4」は、「倫理」「コミュニケーション」「プロフェッショナリズム」の3ユニットからなる。
【サブ領域の学修目標】
臨床実習での学びや経験を踏まえて、よき臨床医に求められる倫理的価値観、コミュニケーション力、医師としてのプロフェッショナリズムの基盤となる知識および技能を修得する。
ユニット「倫理」:
専門職の視点の違いを体感するために、生命倫理をテーマとして多学部による討論を実践する。
臨床で起こりうる医師-患者や医療者間の価値観の相違を理解する。
医療者としての行動につなげるために、臨床倫理の考え方を理解する。
ユニット「コミュニケーション」:
患者、家族、医療スタッフと良好な関係を構築する上で必要なコミュニケーション能力を身につける。
コミュニケーションにおける最低限の知識を有したうえで実際に活用できる能力を涵養する。
臨床現場における適切なコミュニケーションを実践する能力を身につける。
ユニット「プロフェッショナリズム」:
医療者としてのプロフェッショナリズムを現場で生かすための思考力と表現力を涵養する。
【医学教育モデル・コア・カリキュラム】
ユニット「倫理」:
A-1-1) 医の倫理と生命倫理
A-1-2) 患者中心の視点
ユニット「コミュニケーション」:
A-4-1) コミュニケーション
A-4-2) 患者と医師の関係
A-5-1) 患者中心のチーム医療
ユニット「プロフェッショナリズム」:
A-1-2) 患者中心の視点
A-1-3) 医師としての責務と裁量権
A-6-1) 安全性の確保
ユニット名称: 倫理 (2021年度)
ユニット責任者 | 中田 亜希子 |
ユニット対象学年 | 4 |
ユニット授業期間 | |
ユニット時限数 | 10 |
ユニット分類 | 演習 |
ユニットについて
倫理ユニットは5学部合同生命倫理シンポジウム(5コマ)と講義・演習(5コマ)から成る。
【学習目標】
専門職の視点の違いを体感するために、生命倫理をテーマとして多学部による討論を実践する。
臨床で起こりうる医師-患者や医療者間の価値観の相違を理解する。
医療者としての行動につなげるために、臨床倫理の考え方を理解する。
【到達目標】
臨床実習の経験から倫理的問題を含む事例を抽出することができる。
多種多様な価値観に触れ、討論することができる。
臨床倫理の四分割表を用いて事例を分析することができる。
●発表会では、全グループの発表時に講評を行う。
【医学教育コアカリの対応小項目】
A-1-1) 医の倫理と生命倫理
A-1-2) 患者中心の視点
受講前に必要とされる知識及び技能・態度
全人的医療人教育Ⅰ~Ⅲ「倫理」で学んだ知識と考え方を復習しておくこと。
特に講義・演習では、医療倫理の四原則、守秘義務、医師-患者関係などを見直して授業に臨むことが望ましい。
ユニットの評価について(フィードバック含む)
●サブ領域『全人的医療人教育Ⅳ』の中で、倫理は35点分/100点満点とする。
●倫理のユニットの中での評価の割合は下記のようにする。
1)講義・演習(5コマ)に関しては、期末試験においてMCQ+記述試験で評価する。(40%)
2)演習については、態度(20%)・理解(20%)・発表と質疑応答(20%)とする。
指定教科書他