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領域名称: 臨床実習(5年次) (2021年度)

サブ領域名称: 臨床実習2 (2021年度)

ユニット名称: 精神科 (2021年度)

ユニット責任者桂川 修一
ユニット対象学年5 ユニット授業期間 ユニット時限数0 ユニット分類実習

ユニットについて

精神疾患は、生物学的因子(Biological)、心理学的因子(Psychological)や社会的因子(Social)、すなわちBio-Psycho-Socialな因子が交絡し不可逆的に重畳することにより生じる。当実習は、急性期〜慢性期あるいは児童・思春期〜老年期の各ライフステージにおける精神科治療や社会復帰など精神科医療の全般を、Bio-Psycho-Socialの側面より網羅的に学び、患者に接して、理解を深めることを目的とする。全4週間の精神科実習のうち、第1,2及び第4週は総合病院の精神科閉鎖病棟である大森病院精神科病棟(6号館)または済生会東部病院精神科において、第3週は主に精神科専門病院の慢性期病棟、依存症専門病棟、デイケア等で学ぶ。

1)大森病院、東部病院における病棟実習では、急性期の統合失調症とうつ病の二症例を担当する。担当症例の実習期間におけるPANNSあるいはHAMDの得点の変遷をグラフ化し、同グラフに向精神薬の変遷、精神療法やケア会議が行われた日時も記入する。それを元に精神症状の改善や退院へ向けてのプロセスをBio-Psycho-Socialな側面より理解しレポートを作成する。
生物学的側面(Bio)は、抗精神病薬や抗うつ薬の薬理作用と精神活動への関わりにつき考察する。心理的側面(Psycho)は、診断や症状の推移の把握に必要な精神症状を診察できることを目指す。また、精神診療やNarrative based medicineについても学ぶ。社会的側面(Social)は、担当症例の社会的背景と退院へ向けての家族心理療法や社会保障制度や精神保健福祉法についても学習する。早期介入の実践についてはイルボスコの実習を通じ学習する。
2)外来実習では、初診患者の現病歴と生活歴を聴取する。聴取においては、鑑別診断を挙げ、確定診断に結びつけることができる情報を得ることを目指す。60歳以上の患者や器質性精神障害が疑われる患者にはMMSE等の心理検査を実施で施行する。老年期の精神活動の変化や器質性精神障害や脳の機能局在を学習する。
3)単科精神科病院(東京足立病院、井之頭病院、武田病院、西井病院)においては、精神疾患慢性期における病態、治療やリハビリテーションをBio-Psycho-Socialな側面から理解し学ぶ。具体的には、慢性期病棟での慢性期症例の診療に参加する。デイケア、作業療法やリワークなどにも参加し慢性期における、リハビリテーションや社会復帰に対する理解を深める。また、精神科病院において初診前の予診を担当し、鑑別診断を挙げ、確定診断に結びつけることができる情報を初診医に提供できることを目指す。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

標準精神医学第8版を通読すること

ユニットの評価について(フィードバック含む)

実習内で指導医からminiCEX, DOPにより形成評価が行われる。
第3者的スタッフからpMEXにより形成評価が行われる。
実習の最後には指導医ないし科の責任者により、総括評価が行われる。

指定教科書他

標準精神医学第8版(実習中携行すること)