領域名称: 臨床実習(5年次) (2024年度)

領域責任者髙井 雄二郎

領域について

 ここでは、臨床医学8:「臨床実習入門」「臨床検査・生理機能検査実習」「シミュレーション実習」と、臨床実習1:「基本臨床実習」を通してM4で学んできた知識と基本的な臨床技能をもとに、実際に診療チームの一員として診療に参加し、診療業務を分担しながら医師の職業的な態度、知識、考え方(医学推論法)、技能の基本を学ぶことを目的とする。
 診療参加型実習(Clinical Clerkship:CC)は、「必修診療参加型実習」として内科A, 内科B, 外科、産婦人科、小児科、精神科、総合診療科/救急科の8診療科と地域医療実習を含めた32週間と、「選択診療参加型実習」で構成されている。自らが、担当する患者の担当医になったつもりで患者の病歴聴取をはじめ、診察、検査や治療計画を立案し、診療に積極的に参加することが期待されている。また、院内は公共の場であることを認識し、医師を志す者として特に身だしなみ、言葉使いをはじめ、時間厳守、守秘義務などには十分注意をすること。なお、CCのほかにベッドサイドで学んだ実際の症例の病態把握のための応用講座として臨床医学9:統合臨床講義を実施するので活用されたい。
 該当する医学教育モデル・コア・カリキュラムの大項目:G 臨床実習
 サブ領域<臨床実習2(診療参加型臨床実習)>の学修目標:
 指導医や研修医、さらには看護師や薬剤師等の他の職種も含めた診療チームの中で、医学生が一定の役割・責任を担いながら円滑に卒後臨床研修を行うことのできる知識・技能・態度を身に付けること。

領域の評価について

 〇 32週の必修診療参加型実習と5年次の8週間の選択診療参加型実習と、総合試験により評価を行う。
 〇 実習においては4/5以上の出席が必須である。
 〇 診療参加型臨床実習においては、GPA評価でGrade C以上でこの領域の合格とする。評価にFがある場合には不合格とする。総合試験においては、予め決められた基準点に達していることが合格の要件となる。

サブ領域名称: 臨床実習2 (2024年度)

サブ領域責任者髙井 雄二郎

サブ領域について

「必修診療参加型実習」と「選択診療参加型実習」からなる。
1.必修診療参加型実習:内科A, 内科B, 外科、産婦人科、小児科、精神科、総合診療科/救急科の8診療科と地域医療実習
2.選択診療参加型実習
臨床系医学:東邦大学医療センター3病院全診療科
基礎系医学:解剖(生体構造、解剖(微細形態)、生理(統合)、生理(細胞)、生化学、病理学、微生物感染症学、社会医学(衛生)、社会医学(医療政策)、法医学、免疫学、薬理学
臨床実習2(診療参加型臨床実習)の学修目標:指導医や研修医、さらには看護師や薬剤師等の他の職種も含めた診療チームの中で、医学生が一定の役割・責任を担いながら円滑に卒後臨床研修を行うことのできる知識・技能・態度を身に付けること。
該当する医学教育モデル・コア・カリキュラム中項目:
G-1 診療の基本
G-2 臨床推論
G-3 基本的臨床手技
G-4 診療科臨床実習

ユニット名称:[]総合診療・救急(2024年度)

ユニット責任者瓜田 純久、本多 満
ユニット対象学年5 ユニット授業期間 ユニット時限数0 ユニット分類実習

ユニットについて

医学を学ぶとき、医学はあたかも成熟した科学と錯覚してしまいます。とくに、ひとつの答えを求める「試験」への対応を重ねていくと、1対1のシンプルな対応関係を数多く記憶に納め、離散的で不連続な思考回路が形成されてしまします。医学は言うまでもなく不確実であり、発展途上にあることに異論を唱える医師はいません。我々が対象とする「生命」の定義が曖昧であり、数十兆の細胞相互作用の表現型として「ヒト」が存在していることによります。

このような背景から、総合診療科における診療参加型実習では、以下の2点を学生の皆さんとともに考えていきたいと思います。

1.還元論、決定論的な診断・治療法
生体を細かく分割して考え、鑑別診断を列挙して最終診断に辿りつくオーソドックスな還元論的内科鑑別診断について復習します。臨床推論の方法として、問診および身体所見などで情報を集め、絞り込みを行って画像診断、血液生化学的検査、生理機能検査を計画していく従来の方法について、指導医とともに実践していきます。チーム医療の一員として反復トレーニングを重ね、診断力、臨床対応力を磨きます。

2.複雑な相互作用を意識した臨床推論
初期値が決まれば時間を経て発現する最終形が決定されるという決定論と異なり、初期値の小さな誤差が指数関数的に増大し、最終的に大きな変化となり病態を形成していく可能性について考えてみます。ある臓器の疾患が他臓器にどのような影響を与え、その治療薬が他臓器にどのような影響を及ぼすのか、紙と鉛筆で展開する臨床推論に挑戦していきたいと思います。

3.どのような症例にも共通する 臓器横断的な生体の仕組みを臨床推論に組み込む
 ①イオンサイズとチャネル ②イオン化傾向と生体反応 ③ネットワークとニューロン ④三大栄養素の生体内の流れ ⑤血管分岐形態と疾患 ⑥感染症数理モデル ⑦痛みシステム ⑧べき乗則とボルツマン分布 ⑨疾病が作り出す形態と次元 など系統講義では学ばないことを、時間の有る限り議論を通して、臨床推論に組み込んで行きたいと思います。

4. コアカリキュラムA-4-1) A-4-2) A-5-1)A-1-2)を参照ください。
 

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

「痛み」「発熱」についての病態を学修してきてください。痛みについては、身体の部位によって共通する症状発現機序、部位によって異なる病態など、基礎医学の観点から復習すると、実習が極めて効果的です。
 臨床医学7の講義内容を復習しておいてください。

ユニットの評価について

実習では連日指導医からフィードバックを行いますが、その際miniCEX, DOPにより形成評価が行われます。また、実習中にチーム医療のスタッフであるコメディカルからはpMEXによって形成評価が行われます。実習の最終日には診療部長により、総括評価を行います。その評価は上記1,2について実施し、実践能力とともに、柔軟な思考回路の涵養を大きく評価していきます。評価は、ユニット単位ではなく「サブ領域単位」で行います。

指定教科書他

指定のものはありません。