領域について
『生体の構造1』領域の学修目標は、人体の正常構造とその機能的意義について学ぶことである。人体を構成する基本的な生命単位は細胞であり、それらが集まって臓器、組織を構成する。形態学的な視点から、人体を統合的に理解するための基盤となる知識を身につける。
生体の構造1-①では、細胞および組織の基本的な構成要素とそれらの構造について学ぶ。
生体の構造1-②では、運動器・末梢神経系および呼吸・循環器系の肉眼解剖学、組織学および発生学を学ぶ。
生体の機能1-③では、消化器系および内分泌・泌尿生殖器系の肉眼解剖学、組織学および発生学を学ぶ。
生体の構造1実習では、生物学、骨学、組織学総論および組織学各論を内容とする実習を行い、基盤的知識を統合的に身につける。
医学教育モデル・コア・カリキュラムの大項目
A医師として求められる基本的な資質・能力(生体の構造1実習)
C医学一般(生体の構造1-①)
D人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療(生体の構造1-②/1-③、生体の構造1実習)
領域の評価について
領域『生体の構造1』を構成する全サブ領域のGPA評価がグレードC以上である場合、『生体の構造1』領域が合格と判定される。
サブ領域について
「生体の構造1実習」では、生物学、骨学、組織学総論および組織学各論を内容とする実習を通じて、人体の正常構造を統合的に理解するための基盤的知識を身につける。
本サブ領域は、下記のユニットから構成される。
① 生体の構造1実習Ⅰ(生物学実習):顕微鏡の使い方、PCR法、マウス解剖などを通して生物学の理解を深める。
② 生体の構造1実習Ⅱ(骨学実習):骨標本を用いた実習を通して骨の構造的機能的理解を深める。
③ 生体の構造1実習Ⅲ(組織学総論実習):染色組織の観察を通して上皮、支持、筋組織の理解を深める。
④ 生体の構造1実習Ⅳ(組織学各論実習Ⅰ):染色組織の観察を通して循環器系、呼吸器系等、全身組織の構造的機能的理解を深める。
該当する医学教育モデル・コア・カリキュラム中項目
A-2医学知識と問題対応能力
C-2個体の構成と機能
D-1血液・造血器・リンパ系
D-2神経系
D-3皮膚系
D-4運動器(筋骨格系)
D-5循環器系
D-6呼吸器系
D-7消化器系
D-8腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)
D-9生殖機能
ユニット名称: 生体の構造1実習Ⅳ(組織学各論実習Ⅰ) (2021年度)
ユニット責任者 | 船戸 弘正 |
ユニット対象学年 | 1 |
ユニット授業期間 | 1期 |
ユニット時限数 | 30 |
ユニット分類 | 実習 |
ユニットについて
本ユニットの学修目標は、組織学総論実習で学んだ知識を基礎に、循環器、リンパ、呼吸器、消化器、泌尿器、生殖器、内分泌の各組織の構造について、組織標本を用いた顕微鏡観察とスケッチ作成を通して、より深く統合的に学ぶ。
実習に用いるほとんどの標本は人体標本であり、故人の献体の上に成り立っている。実習にあたっては貴重な標本を大切に扱い、人間の尊厳および死について熟思し、人間性豊かな医師となるための機会とする。
医学教育モデル・コア・カリキュラムの小項目
A-2-2)学修の在り方
C-2-2)組織・各臓器の構成、機能と位置関係
D-1-1)血液・造血器・リンパ 構造と機能
D-5-1)循環器系 構造と機能
D-6-1)呼吸器系 構造と機能
D-7-1)消化器系 構造と機能
D-8-1)腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)構造と機能
D-9-1)生殖機能 構造と機能
D-12-1)内分泌・栄養・代謝系 構造と機能
毎回の実習では、顕微鏡観察に基づくスケッチを作成しスケッチ評価を受ける。定期的に実習試験を実施し、学修成果を評価する。毎回の実習試験終了後に正答を解説する。
受講前に必要とされる知識及び技能・態度
知識としては、Ⅰ期で学んだ組織学総論実習の内容が必要である。また、各回実習内容に相当する講義の復習も必要である。
顕微鏡観察を通して得られる情報と、座学で得た知識とを統合するため、標本観察時に浮かぶ疑問点を教科書やアトラス等によって調べ知識を定着していこうとする積極的かつ能動的態度が必要である。
ユニットの評価について(フィードバック含む)
生体の構造1実習Ⅳ(組織学各論実習Ⅰ)ユニットの評価は、実習試験、スケッチ評価および実習態度に基づいて行う。グレードC以上を合格とする。概ね実習態度20%、実習試験80%の配点となる。実習試験は5回実施する。実習試験後に、実習試験の正解を説明する。各回の実習試験結果は、次回の実習時に個別に発表する。
本ユニットはサブ領域「生体の構造1実習」の40%を占める。実習回数の4/5以上の出席が履修要件である。
評価の開示後、3日間に限りオフィスアワーにて個別の質問を受ける。
指定教科書他
【組織学アトラス】
1)バーチャルスライド組織学 駒﨑 伸二 羊土社 2020年刊 ISBM 978-4-7581-2105-7
2)新編カラーアトラス組織・細胞学 岩永敏彦 医歯薬出版 2017年刊 ISBM 978-4-263-45805-1
3)ウィータ―図説で学ぶ機能組織学 原書第6版 エルゼビア 2018年刊 ISBM 978-4-86034006-3
4)ガートナー/ハイアット組織学 アトラスとテキスト第3版 MEDSi社 2014年刊 ISBM 978-4895927888