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領域名称: 臨床実習(6年次) (2021年度)

サブ領域名称: 臨床実習3 (2021年度)

ユニット名称: 耳鼻咽喉科(佐倉) (2021年度)

ユニット責任者鈴木 光也
ユニット対象学年6 ユニット授業期間 ユニット時限数0 ユニット分類実習

ユニットについて

耳鼻咽喉科・頭頚部外科学疾患全般にわたり実習を行う。耳鼻咽喉科領域の解剖学、生理学に基づき、耳疾患、鼻・副鼻腔疾患、咽喉頭疾患、頭頸部腫瘍疾患の病態を理解する。具体的には視診、触診、生理機能検査の結果から診断に至る過程を学び考える。難聴・耳鳴の原因は蝸牛から聴覚伝導路にまで様々である。純音聴力検査、語音明瞭度検査、内耳機能検査、聴性脳幹反応などの臨床検査を用いて病態を考え、学び、理解する。めまい・平衡障害をきたす機序について考え、学び、理解する。体平衡機能は、前庭・三半規管、視覚、深部知覚、聴覚からの入力情報を小脳・脳幹の中枢神経系が統合することによって構築される。めまい・平衡障害はこれらの均衡が乱れることによって生じるため、その病態を考えるにあたり内耳前庭機能のみならず小脳・脳幹について深く理解することが必要である。前庭機能検査の目的を理解するとともに、内耳と脳のCT/MRI画像を読影し、鑑別疾患を挙げられるようにする。手術実習を通じて耳鼻咽喉科・頭頚部外科学領域の解剖を熟知し、手術の基本操作を身につける。耳科手術においては、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎に対して行われる鼓室形成術・乳突削開術といった高頻度の手術のみならず、先天性・後天性外耳道閉鎖用に対する外耳道造設術、難治性顔面神経麻痺に対する顔面神経減荷術、耳硬化症に対するアブミ骨手術そして高度・重度感音難聴に対する人工内耳植え込み術など難易度の高い手術も経験することができる。これら一連の診療を通して、聴覚医学を理解し難聴に対する最新の治療を学ぶことができる。鼻・副鼻腔炎では、鼻内内視鏡手術を通じて鼻・副鼻腔の構造を熟知し、鼻・副鼻腔炎の成因とそれに対応した治療法について学ぶ。アレルギー性鼻炎に対する外科的治療や鼻涙管閉鎖症に対する手術も多く行っており、鼻科手術全般を経験できる。咽頭・喉頭疾患では、慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃摘出術、声帯ポリープに対する喉頭微細手術が頻繁に行われており、咽頭の構造や声帯周囲の解剖が良く理解できる。腫瘍手術については、甲状腺、耳下腺・顎下腺腫瘍が多くを占めるが、副鼻腔乳頭腫、喉頭腫瘍、舌腫瘍なども行っている。このように耳、鼻、咽喉頭、頸部の疾患に多く接し、検査や手術に参加して丁寧な指導を受けられることが当科の特色といえる。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

耳・鼻・咽喉頭の解剖と生理を理解して、頻度の多い疾患については病態を説明できるようにしておく。頻度の高い耳鼻咽喉科疾患と基本的な検査(純音聴力検査、語音明瞭度検査、平衡機能検査、耳・鼻・頸部のCT/MRI)については外来実習の前に教科書で予習する。手術に参加する疾患については、教科書はもとより自主的に論文や総説を検索してその解剖熟知しておく。手術の術式についても教科書や総説で予習することが望ましい。理解が困難な内容があれば手術前に指導医の指導を仰ぐ。

ユニットの評価について(フィードバック含む)

以下の項目を担当教員が実施する。
① 実習中の実習へ望む態度について評価を行う。
② 口頭試問によって、経験した症例を中心に耳鼻咽喉科疾患全般にわたる知識と理解度の評価を行う。
③ 受け持ち症例についてレポートを作成し、内容について指導を行うとともに評価する。
④ 手術、外来検査の助手を担当し、その際に手技を指導して到達度を評価する。
⑤ 助手として参加した手術については手術記載を作成し、その内容を評価する。
⑥ 外来にて医療面接を実施し、面接の態度と記載内容について評価する。
⑦ すべてのサブ領域でGPA評価でGrade C 以上を合格とする。

指定教科書他

1): 「新耳鼻咽喉科学(第11版)」、東京大学名誉教授 切替一郎 原著・東京大学名誉教授 野村恭也 監修
東京大学名誉教授 加我君孝 編集南山堂、2013
最も標準的な耳鼻咽喉科の教科書である。改訂が繰り返されており内容が充実している。