領域について
放射線は現代医学の検査及び治療において,極めて有効な方法を提供している。また,放射線は扱いを誤ると大変危険な存在ともなり得る。そこで,放射線を基礎から深く理解し,その有効かつ安全な利用法を身につけることは臨床医学にとって必須のものとなっている。このような事を鑑み,本領域においては,放射線の基礎から線量ならびに被ばくについての考え方を確立し,医療における有効で安全な利用・検査方法を学修する。
領域「医用理工学2」には1つのサブ領域「医用理工学2」がある。
医学教育モデルコアカリキュラムへの対応
大項目D(全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療),E(全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療)
サブ領域「医用理工学2」:
放射線医学を理解する上で必要とされる放射線について,物理学,化学,生物学の観点から,放射線及び放射性同位体の特徴,生成方法,放射能及び線量の評価方法,被ばくの分類,被ばくからの防御,計測,人体への作用,機器,安全性,医用工学的実験・検査方法について説明でき,線量等に関する定量的な議論をもとに医療被ばくについて理解することを目的とする。
領域の評価について
領域「医用理工学2」を構成するサブ領域「医用理工学2」のGPA評価がグレードC以上であることをもって、当該領域合格となる。
ユニット名称: 基礎放射線 (2021年度)
ユニット責任者 | 川口 高明 |
ユニット対象学年 | 2 |
ユニット授業期間 | 2期 |
ユニット時限数 | 15 |
ユニット分類 | 講義 |
ユニットについて
基礎放射線においては,放射線医学を理解する上で必要とされる放射線について,物理学,化学,生物学,医用工学の観点から,放射線及び放射性同位体の特徴,生成方法,被ばくからの防御,計測方法,人体への作用,機器管理,安全管理,医用工学的実験・解析方法等について理解することを目的とする。
講義において,主に被ばく線量等に関する例題・課題を提示し,考え方などを説明する。
医学教育モデルコアカリキュラムへの対応:小項目
A-6-1,A-6-2,E-6-1,E-6-2,E-6-3
受講前に必要とされる知識及び技能・態度
物理学,化学,生物学に関する基本知識および領域:医用理工学1(医科物理学Ⅰ/Ⅱ,医用理工学1実習)で学修した内容への理解が必要である。
講義聴講前に各講義項目に記載された内容を配布プリント等をもとに理解して授業に臨むこと。(約40分)
配布プリントは,講義日3日前までに教育ポータル等で通知および配布する。
ユニットの評価について(フィードバック含む)
サブ領域単位で評価する。
期末に,論述式(約8割)・多肢選択式(約2割)の筆記試験を行う。
配点割合も原則として論述式(約8割)・多肢選択式(約2割)とする。
放射線及び関連のテーマに関して,物理学,化学,生物学,医用工学の分野からの問題についての理解度を判定する。
開示後2日間に限り,フィードバックとして,可能な範囲で問題点又は内容について説明・指導を行う。
最終判定については,筆記試験の得点率をもとに,サブ領域としてGPA評価のグレードで表す。
指定教科書他
資料を配布する。
参考書
・放射線を科学的に理解する,鳥居・小豆川・渡辺著,丸善出版,2012年
・放射線概論,柴田徳思編,通商産業出版,2012年
・放射化学概論(第3版),富永・佐野著,東京大学出版会,2014年
・放射線生物学,山口彦之著,裳華房,2011年
・放射性同位元素検査学,河村誠治 他著,近代出版,2016年