領域名称: 医用理工学2 (2024年度)

領域責任者川口 高明

領域について

 放射線は現代医学の検査及び治療において,極めて有効な方法を提供している。また,放射線は扱いを誤ると大変危険な存在ともなり得る。そこで,放射線を基礎から深く理解し,その有効かつ安全な利用法を身につけることは臨床医学にとって必須のものとなっている。このような事を鑑み,本領域においては,放射線の基礎から線量ならびに被ばくについての考え方を確立し,医療における有効で安全な利用・検査方法を学修する。
 領域「医用理工学2」には1つのサブ領域「医用理工学2」がある。
 
 医学教育モデルコアカリキュラムへの対応
 大項目D(全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療),E(全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療)
 中項目及び小項目はサブ領域の説明を参照。
 
 サブ領域「医用理工学2」:
 放射線医学を理解する上で必要とされる放射線について,物理学,化学,生物学,医用工学の観点から,放射線及び放射性同位体の特徴,生成方法,放射能及び線量の評価方法,被ばくの分類,被ばくからの防御,計測,人体への作用について定量的な議論をふまえて説明でき,その上で原子力施設事故及びその影響,放射線関連機器,安全性,医用工学的実験・検査方法についてもその詳細を理解して説明できることを目的とする。
 
 

領域の評価について

 領域「医用理工学2」を構成するサブ領域「医用理工学2」のGPA評価がグレードC以上であることをもって、当該領域合格となる。サブ領域「医用理工学2」の評価が領域「医用理工学2」の評価となる。
 

サブ領域名称: 医用理工学2 (2024年度)

サブ領域責任者川口 高明

サブ領域について

医用理工学2は、基礎放射線(15コマ)の1つ(単一)のユニットで構成される。

基礎放射線:放射線医学を理解する上で必要とされる放射線について,物理学,化学,生物学,医用工学のそれぞれの視点から学ぶ。それによって,放射線及び放射性同位体の特徴,生成方法,被ばくからの防御,計測方法,人体への作用,機器管理,安全管理,医用工学的実験・解析方法等について理解することを目的とする。
医学教育モデルコアカリキュラムへの対応
・中項目 A-6,E-6
・小項目 A-6-1,A-6-2,E-6-1,E-6-2,E-6-3

ユニット名称:[MM644-201J]基礎放射線(2024年度)

ユニット責任者川口 高明
ユニット対象学年2 ユニット授業期間2期 ユニット時限数15 ユニット分類講義

ユニットについて

基礎放射線においては,放射線医学を理解する上で必要とされる放射線について,物理学,化学,生物学,医用工学の観点から,放射線及び放射性同位体の特徴,生成方法,被ばくからの防御,計測方法,人体への作用,機器管理,安全管理,医用工学的実験・解析方法等について理解する。
講義において,主に被ばく線量等に関する例題・課題を提示し,考え方などを説明する。

講義聴講前にMoodleに掲示した講義資料を読んで授業に臨むこと(約40分)

医学教育モデルコアカリキュラムへの対応:小項目
A-6-1,A-6-2,E-6-1,E-6-2,E-6-3

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

物理学,化学,生物学に関する基本知識および領域(医用理工学1,生体の構造1)で学修した内容への理解が必要である。
初回の講義に向けて,原子核,同位体についての理解を確認しておくこと(約40分)
講義聴講前に各講義項目に記載された内容を配布プリント等をもとに理解して授業に臨むこと。(約40分)(プリントは事前に教育ポータルまたはMoodleで配布する)

ユニットの評価について

サブ領域単位で評価する。
期末に,論述式(約8割)・多肢選択式(約2割)の筆記試験を行う。
配点割合も原則として論述式(約8割)・多肢選択式(約2割)とする。
放射線及び関連のテーマに関して,物理学,化学,生物学,医用工学の分野からの問題についての理解度を判定する。
フィードバックについて:Moodleまたは教育ポータルへ講評等を掲示する,または開示後2日間に限り,可能な範囲で問題点又は内容について各担当教員から説明する。
最終判定については,筆記試験の得点率をもとに,サブ領域としてGPA評価のグレードで表す。

指定教科書他

資料を配布する。教科書は基本的には使用しない。参考書は以下のとおり。

参考書
・放射線を科学的に理解する,鳥居・小豆川・渡辺著,丸善出版,2012年
・放射線概論,柴田徳思編,通商産業出版,2012年
・放射化学概論(第3版),富永・佐野著,東京大学出版会,2014年
・放射線生物学,山口彦之著,裳華房,2011年
・放射性同位元素検査学,河村誠治 他著,近代出版,2016年
・ラジオアイソトープ利用ガイドブック,GEヘルスケア バイオサイエンス,2006年
・画像診断コンパクトナビ ―医学生・研修医必携―第4版,百島祐貴 著,医学教育出版社,2016年

授業日程一覧(ユニット名称:基礎放射線) (2024年度)

コマ数形態授業タイトル
1 講義放射線物理学1(放射線,放射性同位体,崩壊(壊変)の基礎,放射能の基礎)
2 講義放射線物理学2(特殊な壊変,壊変の理論と事例, 半減期,放射線のエネルギー)
3 講義放射線物理学3(エネルギー吸収,生体における減弱係数,透過特性,飛程)
4 講義放射線物理学4(各種基本的線量と被ばくの基礎,核分裂生成物と原子力災害)
5 講義放射線物理学5(放射性同位体の生成,線量の分類・基礎)
6 講義放射線関連(各種状況の被ばく線量,被ばくの状況分類,原子力災害の影響と対策,線量限度と防護原則,放射線計測の基礎)
7 講義放射線化学1(直接・間接作用,スプール,線エネルギー付与)
8 講義放射線化学2(水の放射線分解,希釈効果,放射線化学的収率,酸素効果,ラジカル)
9 講義放射線生物学1(放射線の細胞への影響)
10 講義放射線生物学2(放射線の人体影響)
11 講義放射線生物学3(放射線影響の発生機構、放射線障害の回避・防護 法)
12 講義放射線医用工学(ライフサイエンス研究で用いる放射性同位体)
13 講義放射線医用工学(核医学検査で用いる放射性同位体)
14 講義放射線医用工学(放射線の計測と防護,X線・γ線を利用した医療,核医学的イメージングの基礎)
15 講義放射線医用工学(核磁気共鳴及び断層画像撮影の医療応用,医療事故防止)
評価医用理工学2(13:00~14:00・2実)
評価医用理工学2(再)(13:00~14:00・2実)
評価医用理工学2(最終)(10:00~11:00・3実)