領域名称: 統合型基礎医学実習1 (2024年度)
領域責任者 | 中野 裕康 |
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領域について
実習・演習・プレゼンテーションを通して科学的探究心、協力して実験を行う実践能力、実験結果を解釈できる能力、実験結果を第三者に向けて発信できる能力を身につける。医学教育モデルコアカリュキラムでは「PR プロフェッショナリズム」、「LL 生涯にわたって共に学ぶ姿勢」, 「RE 科学的探究心」、「PS 専門知識に基づいた問題解決能力」に該当する。
サブ領域:基礎準備実習では、実習を適切におこなうための実験器具や実験装置の基本的操作法を修得し、統計ソフトの利用の仕方、科学レポートの正しい書き方、プレゼンテーションのための資料作成方法や発表方法を学修する。
サブ領域: 基礎統合実習1では基礎準備実習の学習を発展させ、生化学、生理学について実習を行い、それぞれの講義で習得した知識を確実なものにし、プレゼンテーションのための資料作成方法や発表方法を学修する。
領域の評価について
理解度、実習態度、技能、レポート、プレゼンテーション時の発表内容や討論内容などの成績の総合評価により行う。その領域に属するすべてのサブ領域の評価が、 GPA評価でグレードC以上で、この領域が合格となる。サブ領域名称: 基礎統合実習1 (2024年度)
サブ領域責任者 | 中野 裕康 |
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サブ領域について
本サブ領域はユニット「基礎統合実習I」のみで構成される。本サブ領域では基礎準備実習で得た知識や技能を発展させ、生化学および生理学に関する項目についての実習を個人あるいはグループで行う。これらの実験を通して科学的探究心を涵養し、さらにレポート作成、発表方法などを学修する。
医学教育モデル・コア・カリキュラ ムでは以下の項目が該当する。
PR-01 信頼
PR-03 教養
PR-04 生命倫理
LL-01 生涯学習
LL-02 医療者教育
RE-02 既知の知
RE-03 研究の実施
RE-04 研究の発信
RE-05 研究の倫理
PS-01 基礎医学
PS-02 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療
PS-03 全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療
ユニット名称:[]基礎統合実習1(2024年度)
ユニット責任者 | 中野 裕康 | ||||||
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ユニット対象学年 | 1 | ユニット授業期間 | ユニット時限数 | 54 | ユニット分類 | 実習 |
ユニットについて
基礎統合実習Iでは、複数の人間と協働して実験を行うことで、試薬・実験器具を正しく安全に扱う技術や協調性を習得する。さらに実験結果を取得し、解析し、考察することを通じて、座学の講義で修得した知識を、使える知識として身に付ける。また実験結果に基づいて正確で論理的なレポートを作成する技能や、実験結果を他人の前でわかりやすく発表できるプレゼンテーション能力を習得する。これらを通して研究能力の基盤となるリサーチマインドを涵養する。生化学の実習では、「代謝生化学」の講義で学修した内容のうち下記の3項目について実験を行う。
項目I 「乳酸とピルビン酸の相互変換」では、NADHの産生量及び消費量を測定することで、赤血球内での乳酸デヒドロゲナーゼの活性制御機構についての理解を深める。
項目II「酵素の反応速度論」では、阻害剤の有無によってアルカリフォスファターゼの基質に対するKmやVmaxがどのように変化するかを計算し、阻害剤の阻害様式についての理解を深める。
項目III「脂肪酸の合成とCPT-IIの機能」では、NADPHの消費量あるいは産生量を測定することで、脂肪酸合成酵素やCPT-IIの反応速度を計算し、脂質代謝についての理解を深める。
生理学の実習では「生体の機能」の講義で学修した内容のうち下記の4項目について実験を行う。
項目Ⅰ「神経の興奮伝導と筋収縮」では、カエル坐骨神経標本を用い、神経の活動電位の発生と興奮伝導について確認するとともに、骨格筋の興奮収縮連関に関する理解を深める。
項目Ⅱ「麻酔下ラット血圧測定」では、麻酔下の小動物における呼吸と循環の調節機構について統合的な理解を深める。
項目Ⅲ「尿の生成と体液の恒常性維持機構」では、自らが被験者となって尿を採取し、尿量と尿成分の解析から、尿生成の調節機構について理解を深める。
項目Ⅳ「心電図と脳血流」では、自らが被験者となって心電図、呼吸および循環応答、脳血流を測定し、心臓の電気的活動と呼吸・循環機能の連関、微小循環について理解を深める。
併せて、実習を行う上で必要な倫理的事項を理解し配慮するとともに、実験データの取り扱いなど、科学者としてのモラルを身に付けることも目的とする。
準備学修:実習に臨む前に、実習書の該当項目を読み、必要な知識を再確認し、実習内容について仮説を立てることが重要である。各項目の受講前に理解すべき基礎知識を確認する事前学習課題をMoodle上に提示するので、事前学習しておくこと(約40分)。
モデル・コア・カリキュラムでは以下の項目が該当する。
PR-01-02 省察
PR-03-01 教養
PR-04-01 臨床倫理
LL-01-01 生涯学習の実践
LL-02-01 医療者教育の実践
RE-01-01 能動的姿勢
RE-02-01 医学と医療
RE-03-03 研究手法
RE-03-03 研究結果
RE-04-01 研究発表
RE-05-01 適切な研究遂行
RE-05-02 対象者の保護
PS-01-01: 生命現象の科学
PS-01-02: 個体の構成と機能
PS-01-04: 病因と病態
PS-02-01: 総論
PS-02-03: 神経系
PS-02-05: 運動器(筋骨格)系
PS-02-06: 循環器系
PS-02-07: 呼吸器系
PS-02-09: 腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)
受講前に必要とされる知識及び技能・態度
生化学についての実習では、「糖代謝」、「酵素」、「脂質代謝」に関する知識が必要である。また生理学についての実習では、人体機能の働きを理解する上で、生体の構造領域の「運動器・末梢神経系」、「呼吸・循環系」「泌尿生殖器系」、生体の機能領域の「細胞生理」、「神経・筋」、「血液・リンパ」、「呼吸・循環」、「腎・尿路」に関する知識を必要とする。
また、データを分析するうえで必要な情報を収集・分析する能力や、データと資料をまとめてプレゼンテーションを行う能力が必要である。実習に臨む前に実習書および講義資料の該当項目を読み、必要な知識を再確認しておく必要がある。(40分)。
ユニットの評価について
生化学の担当する第1回から第6回については、実習の態度(実習への積極的な参加姿勢など)および技能の評価を20%、レポート評価を60%、プレゼンテーションの評価を20%の割合で個人ごとに評価する。生理学の担当する第8回から第16回については、各項目の担当教員が、実習態度(20%)、実習理解(20%)、討論(20%)、レポート(20%)について個人毎に評価する。また第17, 18回の全体発表会における発表についてはグループ毎に評価する(20%)。
それぞれの評価点を1:1で合計して100点満点で点数化し、60 点以上をもって合格とする。
指定教科書他
事前(1週間前を目安に)にMoodle上に実習書のPDFをアップする。【参考書】
(生化学)
・カラーイラストで学ぶ集中講義「生化学」改訂第2版、鈴木敬一郎ら、メディカルビュー社、2017 (ISBN: 978-4-7583-0098-8)
・イラストレイテッド生化学(原書8版)、石崎泰樹監訳、丸善出版、2018、ISBN978-4-621-30852-3
(生理学)
・標準生理学(第9版)本間研一監修、大森治紀、大橋俊夫総編集 医学書院 2019 ISBN: 978-4-260-03429-6
・カラー図解 人体の正常構造と機能 全10巻縮刷版(第4版)坂井建雄総編集 日本医事新報社 2021
ISBN: 978-4-7849-3181-1
・オックスフォード・生理学(原書4版)岡野栄之, 植村慶一監訳 丸善 2016 ISBN: 978-4-621-30008-4
・ギャノング生理学 (原書26版) KE Barrett等著 岡田泰伸監訳 丸善 2022 ISBN: 978-4621307083
・ガイトン生理学 (原書13版) JE Hall著 御手洗玄洋総監訳 エルゼビア・ジャパン 2018 ISBN: 978-4-860-34774-1
授業日程一覧(ユニット名称:基礎統合実習1) (2024年度)
コマ数 | 形態 | 授業タイトル |
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1 | 実習 | 基礎統合実習1:ガイダンス |
2 | 実習 | 基礎統合実習1: ピペッテイング操作実習 |
3 | 実習 | 基礎統合実習1:ピペッテイング操作実習 |
4 | 実習 | 基礎統合実習2: 糖質:赤血球における乳酸の生成 |
5 | 実習 | 基礎統合実習2: 糖質:赤血球における乳酸の生成 |
6 | 実習 | 基礎統合実習2: 糖質:赤血球における乳酸の生成 |
7 | 実習 | 基礎統合実習3: 酵素:酵素反応速度定数の決定 |
8 | 実習 | 基礎統合実習3: 酵素:酵素反応速度定数の決定 |
9 | 実習 | 基礎統合実習3: 酵素:酵素反応速度定数の決定 |
10 | 実習 | 基礎統合実習4: 脂質:脂肪酸合成とCPT-IIの活性測定 |
11 | 実習 | 基礎統合実習4: 脂質:脂肪酸合成とCPT-IIの活性測定 |
12 | 実習 | 基礎統合実習4: 脂質:脂肪酸合成とCPT-IIの活性測定 |
13 | 実習 | 基礎統合実習5: レポート作成とプレゼンテーション準備 |
14 | 実習 | 基礎統合実習5: レポート作成とプレゼンテーション準備 |
15 | 実習 | 基礎統合実習5: レポート作成とプレゼンテーション準備 |
16 | 実習 | 基礎統合実習6: 実習発表会 |
17 | 実習 | 基礎統合実習6: 実習発表会 |
18 | 実習 | 基礎統合実習6: 実習発表会 |
19 | 実習 | 基礎統合実習7 機能系実習のガイダンス |
20 | 実習 | 基礎統合実習7 動物実験の倫理 |
21 | 実習 | 基礎統合実習7 実験データの統計解析の基礎(復習) |
22 | 実習 | 基礎統合実習8:実験データを理解する |
23 | 実習 | 基礎統合実習8:実験データを理解する |
24 | 実習 | 基礎統合実習8:実験データを理解する |
25 | 実習 | 基礎統合実習9:神経・筋(実験)(ローテート) |
26 | 実習 | 基礎統合実習9:神経・筋(実験)(ローテート) |
27 | 実習 | 基礎統合実習9:神経・筋(実験)(ローテート) |
28 | 実習 | 基礎統合実習10:神経・筋(データ整理・討論・レポート作成)(ローテート) |
29 | 実習 | 基礎統合実習10:神経・筋(データ整理・討論・レポート作成)(ローテート) |
30 | 実習 | 基礎統合実習10:神経・筋(データ整理・討論・レポート作成)(ローテート) |
31 | 実習 | 基礎統合実習11 麻酔下ラットの血圧測定(ローテート) |
32 | 実習 | 基礎統合実習11 麻酔下ラットの血圧測定(ローテート) |
33 | 実習 | 基礎統合実習11 麻酔下ラットの血圧測定(ローテート) |
34 | 実習 | 基礎統合実習12 麻酔下ラットの血圧測定(データ整理・討論・レポート作成) |
35 | 実習 | 基礎統合実習12 麻酔下ラットの血圧測定(データ整理・討論・レポート作成) |
36 | 実習 | 基礎統合実習12 麻酔下ラットの血圧測定(データ整理・討論・レポート作成) |
37 | 実習 | 基礎統合実習13:体液の恒常性維持機構(実験)(ローテート) |
38 | 実習 | 基礎統合実習13:体液の恒常性維持機構(実験)(ローテート) |
39 | 実習 | 基礎統合実習13:体液の恒常性維持機構(実験)(ローテート) |
40 | 実習 | 基礎統合実習14:体液の恒常性維持機構(データ整理・討論・レポート作成)(ローテート) |
41 | 実習 | 基礎統合実習14:体液の恒常性維持機構(データ整理・討論・レポート作成)(ローテート) |
42 | 実習 | 基礎統合実習14:体液の恒常性維持機構(データ整理・討論・レポート作成)(ローテート) |
43 | 実習 | 基礎統合実習15 心電図と脳血流(ローテート) |
44 | 実習 | 基礎統合実習15 心電図と脳血流(ローテート) |
45 | 実習 | 基礎統合実習15 心電図と脳血流(ローテート) |
46 | 実習 | 基礎統合実習16 心電図と脳血流(データ整理・討論・レポート作成) |
47 | 実習 | 基礎統合実習16 心電図と脳血流(データ整理・討論・レポート作成) |
48 | 実習 | 基礎統合実習16 心電図と脳血流(データ整理・討論・レポート作成) |
49 | 実習 | 基礎統合実習17 発表準備 |
50 | 実習 | 基礎統合実習17 発表準備 |
51 | 実習 | 基礎統合実習17 発表準備 |
52 | 実習 | 基礎統合実習18 機能系実習発表会 |
53 | 実習 | 基礎統合実習18 機能系実習発表会 |
54 | 実習 | 基礎統合実習18 機能系実習発表会 |