領域名称: 人文・社会学 (2025年度)

領域責任者山口 哲生

領域について

 本領域の目的は、4つの科目を学ぶことで、相互の科目に共通する社会的動物としての人を取り巻く状況を理解し、より全人的に患者さんに対峙できるような意識と態度を育成することである。法学では、万が一の医療過誤や、医療ミスが生じた場合の法的な措置の知識を知り、予防を万全とする医療体制や医師としての在り方を考察できるようになる。倫理学では、その法的な知識を持ったうえで、生死が関わる葛藤状況において倫理的な視点を得る。社会学では、患者も何かしらの集団に所属していることで、生じる様々な葛藤があり、単なる社会的現象ではなく、その裏にある理論を理解することで、医療ミスが生じる背景を推察することができるようになる。心理学では、健康な人間の心がどのように機能し、それがどのように病むかについて様々な視点から知識を得て、人を全人的に理解する。
 それにより、患者さんと対峙するときに、患者さんの臓器のみに焦点を当てるのではなく、患者さんの家族や学校、職場における対人関係や、経済的状況にまで洞察を持ったうえで、全人的に診察ができる医師を育成する。
 「人文・社会学」は「人文・社会学I」「人文・社会学II」があり、「人文・社会学I」は心理学と倫理学、「人文・社会学II」は法学と社会学から構成される。
 
 人文・社会学領域は、『医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)』の以下の大項目に該当する。
 
 PR: プロフェッショナリズム
 GE: 総合的に患者・生活者をみる姿勢
 RE: 科学的探究
 PS: 専門知識に基づいた問題解決能力
 CS: 患者ケアのための診療技能
 CM: コミュニケーション能力
 SO: 社会における医療の役割の理解
 
  

領域の評価について

 人文社会学1及び人文社会学2は独立したサブ領域として評価される。
 
 1)サブ領域の評価判定は100点満点の評価で行い、グレードC以上(60点以上)を合格とする。サブ領域の最終GP評価は、各ユニットの評価を勘案した総合判定とする。
 2)グレードF判定(6割未満)のユニット評価が1つあっても、サブ領域のGP評価がグレードCの場合には、サブ領域の最終評価は合格と判定する。ただし、ユニットにF-がある場合は、60点以上であっても不合格となる。
 3)受験資格は、サブ領域の全講義回数の2/3以上の出席とする。不合格者は、ユニット単位ではなくサブ領域単位で本試験・再試験等を受験する。
 4)試験のフィードバックを希望する者は試験終了1週間以内に担当教員へメールで連絡をすること。2ユニットの得点の合計平均点がGPAグレードC以上(60点以上)であることが、サブ領域の合格要件になる。
 5)領域に属するすべてのサブ領域がGPA評価グレードC以上で、当該領域の合格となる。
 
 成績評価は本学のGP評価制度による。
 S 90点以上から100点
 A 80点から89点
 B 70点から79点
 C 60点以上から69点
 F 40点以上59点
 F- 0点以上39点
 

サブ領域名称: 人文・社会学2 (2025年度)

サブ領域責任者山口 哲生

サブ領域について

人文・社会学2は、法学(14コマ)と社会学(13コマ)で構成される。

人文・社会学2は、『医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)』の以下の項目に該当する。

PR:プロフェッショナリズム(Professionalism)
 PR-01: 信頼 
 PR-03: 教養
GE:総合的に患者・生活者をみる姿勢(Generalism)
 GE-01: 全人的な視点とアプローチ
RE: 科学的探究
 RE-05: 研究倫理
CS: 患者ケアのための診療技能
 CS-05: 医療の質と患者安全
CM:コミュニケーション能力(Communication)
 CM-01: 患者に接する言葉遣い・態度・身だしなみ・配慮
 CM-02: 患者の意思決定の支援とそのための情報収集・わかりやすい説明
SO: 社会における医療の役割の理解(Medicine in Society)
 SO-01: 社会保障
 SO-05: 国内外の視点から捉える医療
 SO-06: 社会科学の視点から捉える医療

ユニット名称:[MM141-101J]法学(2025年度)

ユニット責任者山口 哲生
ユニット対象学年1 ユニット授業期間2期 ユニット時限数14 ユニット分類講義

ユニットについて

本講義では、社会人として、医師として、そして教養人として必要な法律に関する基礎知識について学びます。できる限り日常生活の具体的な事例を素材として提供した上で、それらを体系的に考察できる法的思考を身に着け、自らの見解を、自らの表現で、論理的に表現することができるようになることを目標としています。

そこでまず、基本的な法律の読み方、法律的な考え方を説明します。
これを踏まえて、みなさんが医師として社会に出て遭遇するであろう問題:例えば医療問題、安楽死・尊厳死・生殖医療と倫理、患者の自己決定など、に適切に対処できるためのスキルを磨きます。

公法・私法・刑事法、憲法・民法・刑法という単語を調べてください。


法学は、『医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)』の以下の項目に該当する。

PR: プロフェッショナリズム
 PR-01: 信頼
  PR-01-01: 誠実さ
 PR-03: 教養
  PR-03-01: 教養

RE: 科学的探究
 RE-05: 研究倫理
  RE-05-02: 対象者の保護
 
CS: 患者ケアのための診療技能
 CS-05: 医療の質と患者安全
  CS-05-03: 安全管理体制

SO: 社会における医療の役割の理解
 SO-01: 社会保障
  SO-01-03: 地域保健
 SO-05: 国内外の視点から捉える医療
  SO-05-01: 国内の医療職の役割や医療体制

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

 予習を兼ねて、講義で習う、または習った観点で、世界のニュースを見てみること。
多角的な視点を持てるように意識してください。

ユニットの評価について

心理学2、法学の素点にそれぞれ40%、60%をかけたものを得点とし、100点満点で評価します。
サブ領域の評価判定は100点満点の評価で行い、グレードC以上(60点以上)を合格とします。
サブ領域の最終GP評価は、各ユニットの評価を勘案した総合判定とします。
グレードF判定(6割未満)のユニット評価が1つあっても、サブ領域のGP評価がグレードCの場合には、サブ領域の最終評価は合格と判定する。ただし、ユニットにF-がある場合は、60点以上であっても不合格となります。

指定教科書他

教科書:使用しない。

参考書:中央大学法学部編 『高校生からの法学入門』 (中央大学出版会.2016) ISBN:9784805727096
          :野田進・松井茂記 『シネマで法学』 (有斐閣ブックス.2005) ISBN:9784641184190
          :渡邉隆司ほか 『ライフステージから学ぶ法律入門』 (ミネルヴァ書房.2011) ISBN:9784623067657
          :村上淳一 『法の歴史』 (東京大学出版会.1987) ISBN:9784130065160

イチオシ:清水清『殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』(新潮社文庫) ISBN:9784101492223
            :坂野徹『帝国日本と人類学者』(勁草書房.2005)ISBN:978-4326101566​
            :木寺一孝『正義の行方』(講談社.2024)ISBN-13:978-4065355602

授業日程一覧(ユニット名称:法学) (2025年度)

コマ数形態授業タイトル
1 講義法学総論・憲法(憲法の意義・人権)を理解する
2 講義憲法(人権)・憲法(統治機構)を理解する 法律学と法律の仕組み(定義と要件効果,立法趣旨)を理解する。
3 講義刑法の基礎1:構成要件、違法性、責任の概念を理解する
4 講義刑法の基礎2:犯罪の成立の考え方を理解する
5 講義刑事訴訟法の基礎原理:人権と真実発見の意味を理解する
6 講義民法総論(民事法の特徴と仕組み)・総則を理解する
7 講義民法(物権・債権)を理解する
8 講義民法(不法行為等)を理解する
9 講義民法(家族・相続等)を理解する
10 講義民事訴訟法の基礎原理を理解する
11 講義医療訴訟の現状と医療安全対策を理解する
12 講義ハラスメントその防止対策、発生時の対応を理解する
13 講義コンプライアンス、会社の仕組みを理解する。
14 講義著名な医療事件について学びます
評価人文・社会学2(再)
評価人文・社会学2