領域名称: 全人的医療人教育1 (2024年度)

領域責任者山口 哲生

領域について

 単に医学的な知識を有しているだけでは、東邦大学が求める「より良き臨床医」にはなれない。
 1年生から6年生を通してspiral learning としておこなわれる全人的医療人教育では、より良き臨床医として全人的な医療を実践するために、自ら問題を抽出して課題を解決する能力、社会生活や医療において倫理的問題を抽出し、適切に対応する能力、周囲と協調し、コミュニケーションをとる能力、医療人としての公益性・道徳性・専門性を習得する。
 学修準備として1年次では、本学のカリキュラムをよく理解し、自ら学習環境を整えて能動的に学ぶことの大切さを理解すること。授業に臨む適切な態度を身につけ、自ら問題点を探り認識できるようになることが求められる。
 
 全人的医療人教育1には以下の『医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)』学修目標(中項目)に該当する内容が含まれる。
 
 レディネス:LL-01: 生涯学習、LL-02: 医療者教育、RE-01: リサーチマインド、GE-04: 社会の視点とアプローチ
 
 倫理:PR-02: 思いやり、GE-04: 社会の視点とアプローチ、IP-01: 連携の基盤、IP-02: 協働実践
 
 コミュニケーション:PR-02: 思いやり、CM-01: 患者に接する言葉遣い・態度・身だしなみ・配慮、CM-02: 患者の意思決定の支援とそのための情報収集・わかりやすい説明、IP-01: 連携の基盤
 
 プロフェッショナリズム:PR-01: 信頼、PR-02: 思いやり、CM-01: 患者に接する言葉遣い・態度・身だしなみ・配慮、IP-01: 連携の基盤、IP-02: 協働実践、SO-04: 社会の構造や変化から捉える医療

領域の評価について

 サブ領域「全人的医療人教育1」のGPA評価がグレードC以上をもって合格とする。
 サブ領域の評価の仔細については、「サブ領域の評価について」の項を参照すること。
 
 1)サブ領域の評価判定は100点満点の評価で行い、グレードC以上(60点以上)を合格とする。サブ領域の最終GP評価は、各ユニットの評価を勘案した総合判定とする。
 2)グレードF判定(6割未満)のユニット評価が1つあっても、サブ領域のGP評価がグレードCの場合には、サブ領域の最終評価は合格と判定する。ただし、ユニットにF-がある場合は、60点以上であっても不合格となる。
 3)4/5以上の出席をもって履修認定の要件とする。
 
 
 成績評価は本学のGP評価制度による。
 S 90点以上から100点
 A 80点から89点
 B 70点から79点
 C 60点以上から69点
 F 40点以上59点
 F- 0点以上39点
 
 

サブ領域名称: 全人的医療人教育1 (2024年度)

サブ領域責任者山口 哲生

サブ領域について

全人的医療人教育1は①レディネス②倫理③コミュニケーション④プロフェッショナリズムの4つのユニットから構成される。
この学年では、医学生がもつべき医療人としての基本的な知識を獲得し、態度・姿勢を習得する。
なお、各ユニットにおける学修には以下の『医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)』学修目標(中項目)に該当する内容が含まれる。

レディネス:LL-01: 生涯学習、LL-02: 医療者教育、RE-01: リサーチマインド、GE-04: 社会の視点とアプローチ

倫理:PR-02: 思いやり、GE-04: 社会の視点とアプローチ、IP-01: 連携の基盤、IP-02: 協働実践

コミュニケーション:PR-02: 思いやり、CM-01: 患者に接する言葉遣い・態度・身だしなみ・配慮、CM-02: 患者の意思決定の支援とそのための情報収集・わかりやすい説明、IP-01: 連携の基盤

プロフェッショナリズム:PR-01: 信頼、PR-02: 思いやり、CM-01: 患者に接する言葉遣い・態度・身だしなみ・配慮、IP-01: 連携の基盤、IP-02: 協働実践、SO-04: 社会の構造や変化から捉える医療

ユニット名称:[MM912-101J]倫理(2024年度)

ユニット責任者平 敬宏
ユニット対象学年1 ユニット授業期間1~2期 ユニット時限数7 ユニット分類演習

ユニットについて

倫理:医療人に求められる高い倫理観を涵養するために、生命倫理と医療倫理を学び、基本的な考え方を身に付け、実臨床および医学研究における倫理的問題を理解し、倫理的原則に基づいて行動する能力を養う。医療人に求められる高い倫理感を涵養するために、生命倫理と医療倫理を学び、基本的な考え方を身に付け、実臨床および医学研究における倫理的問題を理解し、倫理的原則に基づいて行動する能力を養う。

本ユニットは、6月26日の健康科学部看護学科1年生との合同演習(薬害概論)と秋に実施する薬害患者様のご講演と演習(薬害各論)の2つからなる。

このユニットは、健康科学部との合同演習、患者様をお招きしての授業であるため、授業を特別なスケジュールで行う。授業開始時刻などは、Moodleに事前に掲示する。

『薬害概論』
6月の演習は、本邦における薬害の歴史、薬害が発生した具体的な経緯を事前学習として調査し、医学科4名と健康科学部2〜3名の計6〜7名の少人数討論により、各自が調べてきた学習内容を少人数グループ討論により理解を深め、さらにグループ発表(双方向授業)により理解を深める。
本演習は、医学科1年生と健康科学部看護学科1年生との合同で実施する。少人数討論では、将来医師になる身、看護師になる身から意見を交換し、他職種との連携の重要性を理解する。

事前学習課題
Ⅰ 薬害の歴史と定義を知る(全体課題,全班発表)
Ⅱ グループごとに、以下の8つの薬害事例のうち一つを学ぶ。(グループ別課題)
   1. スモン(キノホルム)
   2. サリドマイド
   3. 薬害HIV(血液製剤)
   4. C型肝炎(血液製剤)
   5. クロイツフェルト・ヤコブ病(乾燥硬膜)
   6. B型肝炎(予防注射)
   7. ソリブジン
   8. イレッサ

医学部生および健康科学部生を、4つの大グループ、32の小グループに分ける。
グループ分けは、4月末日までにMoodleに掲示する。

それぞれが、全体課題とグループ課題を事前学習し演習に臨むこと。
事前学習課題は、6月25日(火)正午までに、Moodleに提出すること。
発表で、全員(8グループ)が、上記8つの薬害について理解することを目的とする。
なお、課題未提出者は、演習に参加することを認めません。すなわち、本ユニットが不合格となる。

全体のスケジュール、大グループの集合場所及び小グループの討論場所は、6月19日(水)までに、Moodleに掲示する。
この演習では、Googleドライブを利用したGoogle Slideを使用する。そのため、全員が演習時には、パソコンまたはタブレット、データ移動・保管用のUSBメモリー(念の為)を持参すること。発表では、教卓に用意したパソコンから各班のGoogle Slideを開き発表する。


『薬害各論』(秋)
 薬害被害者の体験をお聞きし、具体的な薬害の例を学び、将来医療従事者としての心構え、医療者として取るべき態度を考察・理解する。この時、医療チームの一員として、各職の役割や連携についても考察する。
また、日常的な倫理的視点を養い、生命倫理の基本となる考え方を理解する。

演習は、3グループ(1グループ40〜45名)に分け、3つの異なる薬害被害テーマのご講演から演習を行う。
対面での演習を予定しているが、状況によりZoomでの講演実施、Zoom(ブレークアウトルーム)での討論となる可能性がある。
討論中にGoogle Slideを利用した発表資料作成を行う。

なお、通常の時間割(授業開始時刻など)とは異なる日程で行う。Moodleや教育ポータルに注意すること。


準備学修として
1、厚生労働省HPの、「薬害を学ぼう」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakugai/index.html)を事前に視聴すること。(20分)
2、指定された各薬害に関する事前学修を行うこと。(20分)

各課題は、Moodleに指定された締切日までに提出すること。
課題未提出者は、演習に参加することを認めません。すなわち、本ユニットが不合格となる。

本演習は、『医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)』の以下の項目に該当する。

PR: プロフェッショナリズム
 PR-02: 思いやり
  PR-02-01: 思いやり
   PR-02-01-0、-02

GE-04: 社会の視点とアプローチ
 GE-04-01: 医学的・文化的・社会的文脈における健康
  GE-04-01-01、-02

IP-01: 連携の基盤
 IP-01-01: 患者中心の保健医療福祉
  IP-01-01-01
 IP-01-02: 職種間コミュニケーション
  IP-01-02-01
IP-02: 協働実践
 IP-02-01: 職種役割
  IP-02-01-01、-02
 IP-02-02: 関係性への働きかけ
  IP-02-02-01、-02
 IP-02-03: 自職種の省察
  IP-02-03-01、02
 IP-02-04: 他職種の理解
  IP-02-04-01


受講前に必要とされる知識及び技能・態度

「薬害概論」では、各自が薬害の歴史・定義を事前学習する。
自らが調べてきた事項を討論によりさらに理解を深める。

秋の「薬害各論」では、ご講演内容の理解を深めるために、感染症、薬害被害、医療行政制度など各講演テーマに即した事前課題を与える。講演日の前日までに、Moodleに提出すること。

また、常日頃から本邦における薬害被害の歴史、行政、製薬企業の対応を学んでおくこと。

ユニットの評価について

倫理は、サブ領域(全人的医療人教育Ⅰ)中の 25点/100点とする。
倫理のユニットの中での評価の割合は下記のようにする。
受講態度(30%)・理解(15%)・発表(15%)・質疑応答(10%)・レポート(30%)とする。
受講態度とは、講演中の態度、少人数討論やグループ発表準備への参加、および発表態度などを評価の対象とする。
健康科学部との合同演習および外部講演者をお招きする演習であるため、遅刻は厳禁である。

薬害各論では、外部講演者に失礼のない真摯な受講態度、積極的な討論参加姿勢を評価する。
さらに

指定教科書他

特に無し

事前学習として、厚生労働省ホームページにある、
「薬害を学ぼう」(https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakugai/index.html)を事前に視聴すること。(20分)

授業日程一覧(ユニット名称:倫理) (2024年度)

コマ数形態授業タイトル
1 演習倫理1(薬害概論-1) 授業説明と少人数討論
2 演習倫理2(薬害概論-2) 少人数討論及び発表資料作成
3 演習倫理3(薬害概論-3、学習成果発表と質疑応答
4 演習倫理4(薬害各論-1、薬害被害についての講演)
5 演習倫理5(薬害各論-2、薬害被害について少人数討論・発表資料作成-1)
6 演習倫理6(薬害各論-3、薬害被害について少人数討論・発表資料作成-2)
7 演習倫理7(薬害各論-4、薬害被害についての学習成果発表・質疑応答)