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領域名称: 病態の科学 (2022年度)

領域責任者石井 良和

領域について

 病態とは生体の通常の生理的構造と機能からの逸脱であり、外因によるもの、内因によるもの、人工的修飾によるものが含まれる。「病態の科学」では、「生体物質の科学」「生体の構造」「生体の機能」で修得した生体機能の理解を、病態の理解・考察に結びつけてゆく。具体的には、病態の生ずる機序、病態の時間的空間的連鎖、それらを修飾する手段としての薬物の基本的役割に関する知識・技能・態度を修得する。これは臨床医学への橋渡しとなり、臨床医学を学ぶ上での基盤となる。
 
 本領域は、「病態の科学①」「病態の科学②」および「病態の科学実習」の3つのサブ領域から構成される。「生体物質の科学」「生体の構造」「生体の機能」および「病態の科学①」で学修した内容を踏まえて「病態の科学②」を学修することで、臨床医学を学修する基盤を完成させる。
 
 『病態の科学』では医学教育モデル・コア・カリキュラムの「C 医学一般」に関連する事項を学修するが、一部必要に応じて「D 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療 」と「E 全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療」の内容にも触れる。
 
 講義
 上記到達目標に挙げた項目について講義を行う。各分野とも次々に新しい知見が蓄積されているが、今後の発展にも対応できるように基本的な事項について現時点での考え方を学び、3年次以降で学ぶ種々の疾患にも対応できるよう理解を深める。
 また「病態の科学1」「病態の科学2」の横断的な連関を概観するために、年度の最初と最後に「病態の科学概論」として統合講義を行う。これは幾つかの具体的な疾患を対象とした講義を各分野が共同で行うものであり、各自の学修意欲の喚起や学修内容の整理に活かす。
 講義を聴いただけでは知識や考え方は身につかない。講義の際に配布されるプリントはあくまで概略なので、成書でじっくりと勉強すること。
 
 実習
 実習では実際の生体材料を使用したり、コンピュータシミュレーションにより、座学で学んだことをより深く理解、修得する。受け身でなく主体的に学ぶことが重要である。

領域の評価について

 領域:『病態の科学』を構成する講義科目であるサブ領域(病態の科学①、病態の科学➁)は、講義回数の2/3以上の出席、実習科目である病態の科学実習サブ領域は実習回数の4/5以上の出席が必須である。
 上記が満たされない場合、講義においては当該領域を構成するサブ領域の定期試験の受験資格の喪失、実習においては未修了判定となる。
 
 科目試験はサブ領域ごとに行う。サブ領域を構成する各ユニットについて、シラバスに明示された配点で評価を行い、全ユニットの評価の合計を100点としてサブ領域の評価とする。
 
 サブ領域と各ユニットの評価が下記の場合を合格とする。
 ①サブ領域の評価が可(グレードC)以上で、ユニットの評価がすべてレベルC以上の場合
 ②サブ領域の評価が可(グレードC)以上で、ユニットの評価でレベルFが1つまでの場合
 
 下記に該当する場合は不合格とする。
 ①サブ領域の評価が不可(グレードDまたはF)の場合
 ②サブ領域の評価がC以上であっても、ユニットの評価でレベルFが2つ以上、あるいはレベルF-が1つ以上ある場合
 
 形成評価について: 学修内容の修得度の確認をするために適宜行う。各自の学修の参考にすること。