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コース名称: 自然・環境科学 (2022年度)

科目名称: 選択物理 (2022年度)

科目責任者能川 知昭
科目対象学年1~3 科目授業期間秋学期 科目時限数15 科目分類講義

科目について

本講義では先端的な医療技術の原理を理解するために必要となる物理学の基本概念のうち、以下の2つのテーマについて学修する。
前半はマクロな物質の性質について学修する。巨視的な物質は膨大な数の原子・分子から構成され、それらの間にはたらく相互作用と温度や圧力のような外部環境に応じて気体・液体・固体などの状態をとる。環境の変化につれて物質の状態も変化するが、そのときの外部環境との仕事・エネルギーのやりとりは熱力学の法則に従う。
後半は原子以下のミクロな世界について学修する。原子は、原子核と電子に、原子核は核子(陽子や中性子)に、核子は素粒子にと分解される。これらの階層構造と各粒子の特性について説明する。物質の電気的な性質は固体中の電子のふるまいによって決まる。これらを理解するためには量子力学が必要となるが、その導入部を学ぶ。最後に放射線医療での応用例にふれる。

前回までの講義内容で理解できなかった点を解消し、講義に先立って配布された資料に目を通して概要を把握しておくことが必要である(30分)。

該当する医学教育モデル・コア・カリキュラムの小項目: A-8-1) 医学研究への志向の涵養

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

本講義の受講に必要なのは自然科学への好奇心である(確認に所用される時間: 10分)。高校物理の履修を前提としないが、未履修の場合、進みが速く感じられる可能性が高いので、より真剣な取り組みが求められる。補講科目「リメディアル物理」を受講しておくことを強く推奨する。

科目の評価について

各回の終わりに行う論述形式の小テストの平均得点率を本学のGPA評価基準にあてはめ、グレードC以上で合格とする。小テストを100%で評価する。テストはその回の講義内容から出題され、いくつかの候補から選択して解答する。答案について次回講義(最終回実施分は除く)およびwebにおいて講評を行う。

指定教科書他

教科書は指定しない。以下に参考書を挙げる。

朝永振一郎 著, 『物理学とは何だろうか〈上〉』, 岩波新書 1979年, ISBN:978-4004200857.
ケネス・フォード (著) 青木 薫 (監訳) 塩原 通緒 (翻訳), 『量子的世界像 101の新知識』, 講談社ブルーバックス 2014年, ISBN:978-4062578561.