東邦大学医学部 教育ポータル

領域名称: 生体物質の科学 (2022年度)

サブ領域名称: 生体物質の科学① (2022年度)

ユニット名称: 生体無機化学 (2022年度)

ユニット責任者池﨑 章
ユニット対象学年1 ユニット授業期間1期 ユニット時限数10 ユニット分類講義

ユニットについて

生体無機化学ユニットでは、将来医師として必要な化学的知識の習得や生体物質の分子レベルでの理解を目的として、無機化学および物理化学の範囲から医学に必須な項目について学修する。最初に高校の化学と医学を学ぶ上での大学の化学との架け橋となる内容を学ぶ。医学で必須な濃度に関する単位を正確に運用できる力が養われる。また、生命現象に重要な役割を果たす水素結合の性質について学ぶ。その後、物質を構成する原子や分子の概念について学び、周期律表上の元素の性質を理解する。気体の水への溶解、生体現象を支える水の性質、自由エネルギーと化学平衡、酸化還元反応と電位、緩衝溶液と緩衝作用について、生体現象の理解を主眼として医学学修のための無機・物理化学的な基礎を築きあげる。それぞれの項目を理解することはむろん重要であるが、応用力・実践力を培うために、気体の水への溶解や浸透圧、熱力学、酸化還元反応、緩衝溶液などでは定量計算能力が養われる。

ユニットの学修目標と達成目標
1) 原子の性質を説明できる(モデル・コア・カリキュラム A-8-1) 
2) 濃度や単位を説明できる(モデル・コア・カリキュラム A-8-1)
3) 気体の水への溶解、浸透圧、緩衝溶液を定量的に説明できる(モデル・コア・カリキュラム A-8-1)
4) 化学的熱力学、酸化還元を定量的に説明できる(モデル・コア・カリキュラム A-8-1, C-2-5)

モデル・コア・カリキュラム 
A-8-1 医学研究への志向の涵養, C-2-5 生体物質の代謝

自学自修を推進するため、プリントは講義前に事前配布される。また、プリントには授業内容を習熟し、深めるための問題が記載されている。自学自修を推進するため問題を解くことを勧める。
準備学修:
事前学修について、事前配布したプリントを自修する。必要に応じて記載した参考書を用いると自学自修が深まる。推奨するページは各授業ごとに個別に記載している。(双方で約60分)
事前に自修すると授業内容の理解度が深まるように、Moodleにプレ資料と確認問題を掲載してある。これらで自学自修し、問題を解くことを勧める。
授業終了後の事後学修について、プリントの問題を解き、学修を深めること。(約60分)
教育ポータルで掲示した解答と解説を参考にして自ら達成度を確認すること。

アクティブラーニングの要素
授業内容の理解や授業を深める目的で授業内にアクティブラーニングを導入する。アクティブラーニングでは体を動かしたり、身の回りのものを使いながら理解を深める。授業で学修する項目についての解説の後、すぐに内容を理解し定着させるための問題演習が行われる。また、第1回の授業開始前にプレ資料としてMoodle内で自学自修できる資料があり、その確認問題に参加することができる。
フィードバック
授業中の問題は授業中に解説を加えて答えを提示する。また、解答をMoodleに掲載する。
配布資料の問題の解答と解説はMoodleにに掲載する。
試験結果については、評価の開示後1ヶ月以内に要望に応じて解答用紙の個別の開示と解説が受けられる。講評もその際に受けられる。
本試験全体の講評は評価の開示後1週間掲示する。
本試験の問題は試験終了後1週間掲示する。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

高校レベルの化学知識を必要とする。積極的に講義に参加する態度が必要である。
酸塩基、酸化還元、沈殿反応の概念を確認すること(15分)。
元素記号を確認すること(10分)。

ユニットの評価について(フィードバック含む)

評価はユニット単位ではなく、「サブ領域単位」で行われる。本ユニットはサブ領域「生体物質の科学①」の40%の評価となる。
本ユニットは定期試験(記述75%以上、多肢選択25%以下)を100%として評価する。サブ領域の総合評価については「生体物質の科学①」の項を参照のこと。サブ領域として不合格の場合は、本ユニットも再試験となる。評価の詳細は、「教育の評価」を参照すること。

フィードバック
本試験の結果については、評価の開示後1ヶ月以内に要望に応じて解答用紙の個別の開示と解説が受けられる。講評もその際に受けられる。
本試験全体の講評は評価の開示後1週間掲示する。
本試験の問題は試験終了後1週間掲示する。

指定教科書他

参考書
1 「物理化学の基礎」 P.W. Atkins, M.J. Clugston著 千原秀昭、稲葉章訳、1984年、東京化学同人
ISBN 978-4-8079-0226-2
  酸化還元に関する電位の計算方法、熱力学に関する扱い、束一的性質や気体の法則など
2 「基本無機化学(第2版)」 荻野博、飛田博実、岡崎雅明著、2006年、東京化学同人
   ISBN 978-4-8079-0625-3
  原子と分子の概念、周期表と元素の性質、原子構造と量子数、酸化還元反応など
3 「生命科学のための基礎化学」 無機物理化学 編 Molly M. Bloomfield著 伊藤俊洋 他 共訳、平成7年、丸善株式会社
   ISBN 4-621-04041-3 C 3043
  緩衝溶液、生体における緩衝溶液