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領域名称: 臨床医学2 (2022年度)

サブ領域名称: 臨床医学2-① (2022年度)

ユニット名称: 脳・神経系 (2022年度)

ユニット責任者狩野 修
ユニット対象学年3 ユニット授業期間 ユニット時限数26 ユニット分類講義

ユニットについて

医学教育モデルコアカリキュラムに沿い、CBTに十分に合格できるレベルを目指す。
神経系の正常構造と機能に関しては、すでに解剖学や生理学などの講義、実習などを通じて習得しているため、本ユニットでは、主な神経疾患の疫学、病院、病態生理、症候や診断を重視する。細かな疾患や治療に関しては、M4以降の臨床実習で学んでいく。

モデルコアカリキュラム
D-2 神経系(D-2-1)〜D-2-4)-(10))

受講前の自己学修
構造と機能に関しては、解剖学や生理学の講義の復習
D-2-3)の症候以降は、内科学(朝倉書店)を参考にする

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

医学教育モデルコアカリキュラムにおける、神経系構造と機能について、以下の点は受講前に必要とされるため、解剖学や生理学などの講義の復習を行う。
具体的には

神経系の一般特性として、
1. 中枢神経系と末梢神経系の構成を概説できる。
2. 脳の血管支配と血液脳関門を説明できる。
3. 脳のエネルギー代謝の特徴を説明できる。
4. 主な脳内神経伝達物質(アセチルコリン、ドパミン、ノルアドレナリン)とその作用を説明できる。
5. 髄膜・脳室系の構造と脳脊髄液の産生と循環を説明できる。

脊髄と脊髄神経について
1. 脊髄の構造、機能局在と伝導路を説明できる。
2. 脊髄反射(伸張反射、屈筋反射)と筋の相反神経支配を説明できる。
3. 脊髄神経と神経叢の構成及び主な骨格筋支配と皮膚分布(デルマトーム)を概説できる。

脳幹と脳神経について
1. 脳幹の構造と伝導路を説明できる。
2. 脳神経の名称、核の局在、走行・分布と機能を概説できる。
3. 脳幹の機能を概説できる。

大脳と高次機能について
1. 大脳の構造を説明できる。
2. 大脳皮質の機能局在を説明できる。
3. 記憶、学習の機序を辺縁系の構成と関連させて概説できる。

運動系について
1. 随意運動の発現機構を錐体路を中心として概説できる。
2. 小脳の構造と機能を概説できる。
3. 大脳基底核の線維結合と機能を概説できる。

感覚系について
1. 痛覚、温度覚、触覚と深部感覚の受容機序と伝導路を説明できる。
2. 視覚、聴覚・平衡覚、嗅覚、味覚の受容機序と伝導路を概説できる。

自律機能と本能行動
1. 交感神経系と副交感神経系の中枢内局在、末梢分布、機能と伝達物質を概説できる。
2. 視床下部の構造と機能を内分泌及び自律機能と関連づけて概説できる。
3. ストレス反応と本能・情動行動の発現機序を概説できる。

ユニットの評価について(フィードバック含む)

到達目標に掲げた全ての項目について正確な知識を習得していること。
習得度の確認は以下の方法で行う。

1.本試験:
下記項目の到達目標を論理的に説明できることが原則となる。
期末試験帯に下記の項目についての理解度を評価するために以下の項目について試験を行う。
1)症候学
①けいれん、②意識障害・失神、③めまい、④頭痛、⑤運動麻痺、筋力低下
2)脳浮腫、頭蓋内圧亢進、脳ヘルニア
3)不随意運動
4)神経学的検査
5)脳・脊髄血管障害
6)認知症と変性疾患
7)感染性・炎症性・脱髄性疾患
8)頭部外傷
9)末梢神経疾患
10)筋疾患
11)発作性疾患
13)頭痛
14)先天性と周産期脳障害
15)腫瘍性疾患

本試験は、MCQ概ね50%以下とし、そのほかは記述式に加え、講義内におけるアクティブラーニングの評価とする。
再試験:
再試験は一回のみ、再試験期間に行う。 出題形式は本試験に準ずる。
試験終了後の一定期間に試験結果のフィードバックを行う。

神経系は、臨床医学②-1に含まれ、そのうちの40%の配点である。

指定教科書他

内科学(朝倉書店)
ベッドサイドの神経の診かた(南山堂)
標準脳神経外科学(第15版) 医学書院