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領域名称: 臨床医学3 (2022年度)

サブ領域名称: 臨床医学3-② (2022年度)

ユニット名称: 臨床遺伝学 (2022年度)

ユニット責任者片桐 由起子
ユニット対象学年3 ユニット授業期間 ユニット時限数5 ユニット分類講義

ユニットについて

分子生物学的技術の飛躍的な進歩により、様々な疾患の病因がDNAレベルで解明されてきている。2003年4月、国際ヒトゲノムプロジェクトが完了し、ヒトDNA全塩基配列が解読された。それを受けて現在、遺伝子および遺伝子以外の塩基配列が持つ機能の解明が急速に進められている。単一遺伝子疾患の解明に加えて、腫瘍や生活習慣病の多くが多遺伝子変異に基因することが明らかとされつつあり、病因および病態の理解、診断および治療を検討する上でのアプローチも大きく変化してきている。このように、遺伝子、遺伝医学に関する正確な知識と情報は、一部の診療科の特定疾患に留まらず、全ての疾患に関連する極めて重要な必須の事項であり、臨床遺伝学として、系統的に学ぶこととした。
また、遺伝情報の取り扱いには、有用性と表裏一体に厳重な管理が必要である。国、世界保健機構、各学会などから、法律、通達、ガイドラインなどで提示されている。さらに、遺伝医学に対する診療・研究には、正確な知識とともに、十分な倫理観を持ち合わせていることが社会からも要求されている。そこで、臨床遺伝学では、疾患と遺伝子変異の機構、診断技術など生物の根源とも言える遺伝子を扱う際の必要な知識を学ぶとともに、カウンセリング体制も含め人間としての倫理観の重要性を学ぶことを目的とする。基礎遺伝学の知識を応用し、さまざまな疾患におけるの遺伝学的問題について考える。疾患を横断的に捉え遺伝子型と表現型(病態・疾患)との関係、遺伝学的検査の原理について学び、診断・治療・カウンセリング出来る知識を習得する。また、遺伝情報の重要性および特殊性を十分理解し、医師としての高い倫理観と、臨床の場面で患者さんとコミュニケーションするための知識を習得する。
日本医学会の「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」を理解し、検査適応、適切な結果の解釈・評価を行う。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

受講前に指定教科書を予習しておくこと。受講後、復習すること。

ユニットの評価について(フィードバック含む)

サブユニット試験時に記述およびMCQ試験で評価。
表記はS(90~100), A(80~89), B(70~79), C(60~69), D(40~59), F(40未満)の6段階

合格基準:評価がC以上 

指定教科書他

主)コアカリ準拠 臨床遺伝学 テキストノート 日本人類遺伝学会編集 診断と治療社 2018

1) トンプソン & トンプソン 遺伝医学 改訂第2版 監訳 福嶋義光 MEDICAL SCIENCE INTERNATIONAL, 2017
2)  「遺伝カウンセリングマニュアル」 改訂第3版 新川詔夫 監修、福嶋義光 編集 南江堂、2018
3) コルフ臨床遺伝医学 原書4版 櫻井晃洋監訳 丸善出版 2014