領域について
社会医学は、人間集団の健康を現実の生活環境の中で扱う科学である。
医学を支える基礎理論には、生物学的医学と社会医学の2つがある。生物学的医学は、実験室における客観的観察によって、個体を臓器に、臓器を組織に、組織を細胞に、細胞を分子に分割する。疾病は単一の分子や細菌から説明される。それは分析的である。これに対して社会医学では、実験室ではなくて、生活環境の中にいる生きた人間、および人間集団を直接、観察し、具体的な対策を考える。医師も対象者と同じ生活環境に加わる。それは実践的であるが故に、統合的思考が求められる。
社会医学1(領域)は、社会医学に関する知識を修得し、説明できるようになることを目的とする。
社会医学1(領域)は、社会医学1-①(サブ領域)、社会医学1-②(サブ領域)から構成される。
社会医学1(領域)は、医学教育モデル・コア・カリキュラムの大項目のAおよびBに該当する。
領域の評価について
社会医学1(領域)では主に認知的領域(知識、理解、思考、判断)の到達度を筆記試験により評価する。
精神運動的領域(技能、コミュニケーションスキル、アカデミックスキル)と情意的領域(態度、意欲、関心)の到達度は、主に社会医学2(領域)の社会医学実習(サブ領域)で評価する。
筆記試験はサブ領域ごとに行う。
社会医学1(領域)に属するすべてのサブ領域が、GPA評価でグレードC以上の場合を合格とする。
社会医学1(領域)に属する一部または全てのサブ領域が、GPA評価でグレードDまたはFの場合を不合格とする。
ユニット名称: 法医学 (2022年度)
ユニット責任者 | 黒﨑 久仁彦 |
ユニット対象学年 | 3 |
ユニット授業期間 | |
ユニット時限数 | 19 |
ユニット分類 | 講義 |
ユニットについて
総論
担 当 者: 黒崎 久仁彦
各論
担 当 者: 黒崎 久仁彦
講義項目: 死体現象、創傷、窒息、異常温度、検死制度、内因性急死、妊娠・分娩・胎嬰児に関する法医学、 個人識別、DNA鑑定
受講前に必要とされる知識及び技能・態度
法医学はヒトの「死」や社会との関連を考察し、鑑定などの形で実践・応用する医学領域であり、その理解に当たっては基礎医学で学んだヒトのあらゆる形態・構造、機能などに関する知識を前提とする。なお、当講義においてはあくまでも学修目的のためにご遺体や損傷部位の画像などを供覧するが、それらの画像や取り扱った内容に関する不適切な外部流出があった場合は、それに関与した個人はもとより大学としての責任を大きく問われる事態に発展する懸念がある。従って、そのような行為を行った場合は、厳しい処分の対象となることを肝に銘じて欲しい。 ヒトの「死」について主に学習する講義であり,真摯な態度で出席するよう心がけていただきたい。
なお、当講義では事前の準備学修は一切必要としない。これまで受けてきた医学部の講義ではまったく扱われなかった新しい内容が多くを占めており、教科書を棒読みして誤った解釈や中途半端な知識を植え付けるくらいなら、真っ新な状態で講義に臨んでいただく方が良いと考えている。
ユニットの評価について(フィードバック含む)
全講義回数の2/3以上の出席が必須である。
上記が満たされない場合、サブ領域の定期試験の受験資格を喪失する。
試験帯に客観試験:MCQ(配点原則90%),論述形式(配点原則10%)を実施する。追再試は1回のみ行う。
サブ領域(ユニット)の評価が可(グレードC)以上の場合を合格とする。
サブ領域(ユニット)の評価が不可(グレードDまたはF)の場合を不合格とする。
試験の設問や採点内容について質問や異議がある場合は、申し出により個人面談を行うことで対応する。
指定教科書他
1) 「臨床のための法医学」(第6版)、澤口彰子他著、朝倉書店、2010
2) 「標準法医学」(第7版)、池田典昭編、医学書院、2012
3) 「エッセンシャル法医学」(第6版)、高取健彦編、医歯薬出版、2019