領域について
臨床実習(4年次)では、5年次から始まる診療参加型実習(Clinical Clerkship:CC)を視野にいれて、実際に診療チームの一員として診療に参加し、診療業務を分担しながら医師の職業的な態度、知識、考え方(医学推論法)、技能の基本を学ぶことを目的に3年次までに身につけた臨床医学の知識基盤を強化すること、臨床実習の現場で何が行われているかを体験することで、医療チームの一員として今後学ぶ動機づけになることを目指している。診療見学を通して、各診療科において行われる患者中心の診療システムを理解し、部分的であれ診療に参加し、臨床的思考や態度の醸成を図る。
該当する医学教育モデル・コア・カリキュラムの大項目:G 臨床実習
サブ領域<臨床実習1(基本臨床実習)>の学修目標:5年次から始まる診療参加型実習を視野にいれて、実際に診療チームの一員として診療に参加し、診療業務を分担しながら医師の職業的な態度、知識、考え方(医学推論法)、技能の基本を学ぶことを目的に3年次までに身につけた臨床医学の知識基盤を強化すること、臨床実習の現場で何が行われているかを体験することで、医療チームの一員として今後学ぶ動機づけになることを目指す。診療見学を通して、各診療科において行われる患者中心の診療システムを理解し、部分的であれ診療に参加し、臨床的思考や態度の醸成を図る。
領域の評価について
各診療科における項目評価と概略評価を用いて総括評価が行われる。
領域に属するすべてのサブ領域が、GPA評価でグレードC以上で、この領域が合格となる。
サブ領域について
臨床実習1(基本臨床実習)の学修目標:5年次から始まる診療参加型実習を視野にいれて、実際に診療チームの一員として診療に参加し、診療業務を分担しながら医師の職業的な態度、知識、考え方(医学推論法)、技能の基本を学ぶことを目的に3年次までに身につけた臨床医学の知識基盤を強化すること、臨床実習の現場で何が行われているかを体験することで、医療チームの一員として今後学ぶ動機づけになることを目指しています。診療見学を通して、各診療科において行われる患者中心の診療システムを理解し、部分的であれ診療に参加し、臨床的思考や態度の醸成を図る。以下のユニットからなる
総合診療科、循環器内科、循環器外科、消化器内科、消化器外科、心療内科、呼吸器内科、呼吸器外科、東洋医学科、神経内科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、糖尿病・代謝・内分泌科、泌尿器科、腎臓内科、病院病理科、小児科、乳腺外科、皮膚科、眼科学、精神神経科、産婦人科、整形外科、形成外科、リハビリテーション科、放射線科、医療の質、栄養治療センター、緩和ケアセンター、口腔外科、看護部・薬剤部、新生児科、地域、血液腫瘍科、救急センター、膠原病科、麻酔科
該当する医学教育モデル・コア・カリキュラム中項目:
G-1 診療の基本
G-2 臨床推論
G-3 基本的臨床手技
G-4 診療科臨床実習
ユニット名称: 総合診療科 (2022年度)
ユニット責任者 | 瓜田 純久 |
ユニット対象学年 | 4 |
ユニット授業期間 | |
ユニット時限数 | 0 |
ユニット分類 | 実習 |
ユニットについて
「何でも診たい,治したい」というマインドは医師を志す原点ですが,近年,原点が大きく揺らいでいるように思えます.患者さんの要求も多様化し,想定外のトラブルを回避する意識も働き,最も自信のある疾病のみを診療する「過度な専門医志向」が加速している現状です.病院内と社会で総合診療医が担うべき役割は大きく変化しており,社会ニーズに応えられるように,我々医師、医学生も進化しなくてはなりません.近年,医療の地域や医師の技量の格差の影響を最小限にするため,ガイドラインやマニュアルによる画一的医療が推進されています.大変重要なことですが,反面,マニュアル通りの治療がうまくいかない時の対応が難しくなっています.心理学で「確証バイアス」という言葉がありますが,ひとたび相手の言うことを信じ込んでしまうと,たとえ矛盾や疑念にぶち当たっても,相手を正当化する理屈を考えてしまうのです.憲法や宗教と同じで,法令や教えを遵守することで,思考を停止させてしまう可能性があります.医療が憲法や宗教と決定的に違うのは,ガイドラインを遵守して治療しても治らない場合には,柔軟な思考が求められることです.
専門医資格を持っていても,患者さんが受診してくれなくては社会に貢献することはできません.社会に貢献できない専門医資格は、何の価値もなく、身分証明書と同じになってしまいます.「診て欲しい」と言われる医師を育成するため,総合診療科の臨床実習を行っていきます。1週間という短い時間を無駄にしないように、一般内科、一般外科、救急医療の様々な医療現場で、基本的な必修事項を見学するだけでなく、できるだけ体験学習することを目標とします。電子内視鏡、超音波カラードプラ、PET-CT、MRI、SPECT、高速CT・・・これらを使いこなすために多くの時間を割いてきましたが、総合診療に出会って、すべての機器を手放したとき、とてつもなく広い豊かな景色が見えてきました。実習中にこの豊かな景色を垣間見ることができれば、実習の目的は達せられたと考えています。
受講前に必要とされる知識及び技能・態度
生物では神経系,内分泌系,免疫系,膜蛋白など共有するシステムは多く,遠くから眺めてみると改めて「臓器は繋がっている」ことに驚きます.総合診療では疾患名を数多く覚えるのではなく,「痛み」「発熱」「倦怠感」などの頻度の多い徴候について,論理的な思考回路の形成を目指します.臨床で得られた情報を,基礎医学まで振り返って理解することが目標です.生理学,生化学,免疫学について,再確認して実習に望むことが望ましいところです.鑑別診断を列挙する従来の方法ではなく、病名を用いずに臨床推論ができる程度の理解が目標です。
ユニットの評価について(フィードバック含む)
到達目標に掲げた全ての項目について、以下に記載の方法により判定し、全ての項目をクリアーすることを単位認定の要件とする。特にアーギュメント(批判的、反省的議論)をできる準備をしてきた場合には評価が跳ね上がります。
A.担当教員が病歴聴取、診察手技、基本的検査,診療計画の立案、診察記録、説明の修得度を連日午後4:00からのディスカッション,および作成したレポートで評価する。
B.症例検討会で、教授または担当教員が質問し、症例に行った検査の理解度を評価する。
C.教授試問では、学生のPOMR に沿った症例発表に続いて、口頭試問を行い、最終的に評価する.
D.社会的問題を抱えた社会的弱者への対応について,自分の意見を言えるかどうか,教授試問で評価する.
E.終末期医療について,自分の意見を言えるかどうか,教授試問で評価する.
F.チェックリスト(自己評価)を記載し指導医に提出する。指導医は診療責任者に提出する。
指定教科書他
1): シリーズ 臨床研修医指導の手引き 内科 徳田安春編 診断と治療社 2004
2): Hospitalist(ホスピタリスト)2020年3号 佐々木陽典編、MDSI