東邦大学医学部 教育ポータル

領域名称: 生体の構造1 (2022年度)

サブ領域名称: 生体の構造1-① (2022年度)

ユニット名称: 生体の構造概論 (2022年度)

ユニット責任者平 敬宏
ユニット対象学年1 ユニット授業期間1期 ユニット時限数8 ユニット分類講義

ユニットについて

 基礎医学や臨床医学を理解する上で必要な基本的な人体の構造とはたらきを系統発生学的にとらえ理解すること、および生命の最小単位としての細胞の構造と機能を理解し、それらの相互作用を通じて生命現象とは何かについて説明できることを目標とする。
 これにあたり、初回の講義で、人体の構成する器官や臓器の機能システムによる分類(系統)と、人体構造を説明するための解剖学用語を学び、今後の生体の構造領域の全体像を理解する。
 講義前に、資料を配布する。資料を前もって学修すること(30分)。また、随時,確認項目のチェックシートを配布する。復習時の参考とする事。

 「生体の構造」領域の最終的な学修目標は、「人体構造の理解」である。
そのため、前半5回の講義では、生体の基本単位である細胞を理解するため「細胞生物学」領域の知識を積み、第6回目は、「人体構造の理解」のため、人体構造概論として「解剖学総論」を実施する。
 後半の2回は、生物は、配偶子(精子や卵子)同士の受精から発生が始まり、最終的な生物個体が構築される。発生学の基本的事項、として配偶子の形成機構、受精機構、ヒトの初期発生(三層性胚盤形成まで)を学ぶ。


 本ユニットは、医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)の 以下の中・小項目に該当する。

C 医学一般、
 C-1 生命現象の科学
  C-1-1 生命の最小単位-細胞
  C-1-2 生物の進化
 C-2 個体の構成と機能
  C-2-1 細胞の構成と機能
  C-2-2 組織・各臓器の構成、機能と位置関係
  C-2-3 個体の調節機構とホメオスタシス(一部)
  C-2-4 個体の発生

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

 高等学校で学んだ「生物基礎、生物学」、入学後に学んだ「基礎生物学」をよく復習しておく事。また、リメディアルプログラム受講者は、リメディアルプログラムで学んだ内容を復習している事が望ましい。 
 原則として、講義資料の印刷物は配布しない。講義の3日前までに、講義資料を原則としてMoodleに掲載する。必要であれば、各自で印刷し持参すること。
 必要な連絡事項や講義資料は、Moodleまたは教育ポータルに掲載する。そのため、毎日Moodleと教育ポータルを確認すること。

ユニットの評価について(フィードバック含む)

2022年度は、全講義がオンライン授業で実施する。

この領域は8回の講義からなり、全ての講義が評価試験の対象である。

生体の構造概論は、講義内小試験及び受講態度を25%、包括評価試験(論述式75%, 多肢選択式25%の出題比)を75%として総合評価する。ただし、解剖学総論の講義内容に関しては、講義内評価を行わず、包括試験(多肢選択式試験)のみで評価する。
原則として可(レベルC)以上を合格基準とする。ただし、サブ領域として不合格の場合は、「生体の構造概論」及び「組織学総論」の両ユニットを受験しなければならない。
評価の詳細は、「教育の評価』を参照すること。

 生体の構造概論ユニットの定期試験に対するフィードバックは、試験終了後に、生物学教授室前に模範解答・成績分布・講評を掲示する。更に希望者には、期限を定めて担当教員から実際の答案を示し学修指導を行います。準備のため事前にアポイントをお願いします。
 特に誤った知識が広く流布している場合は、Moodleまたは教育ポータルに説明を掲載する他、学生の希望を調査し、FTを利用した出席任意の追加講義を行うこともある。出所不明の無責任かつ誤りばかりの「シケタイ」で、試験成績を低迷させていた年度もある。
 本試験、再試験、最終試験の出題形式、難易度は同一である。到達目標は、いずれの試験でも変らないため、仮に本試験で不合格者が多かったとしても、再試験の難易度を下げることはない。本試験で合格すること。

指定教科書他

教科書は特に指定しないが以下の参考書が学修に役に立つ。

高等学校で生物学を未履修な学生むけ(いずれか1冊)
1. 医薬系のための生物学(丸山、松岡著)裳華房(2013年) ISBN 974-7853-5224-0
2. やさしい基礎生物学(第2版)(南雲 保編著)羊土社(2014年) ISBN 978-4-7581-2051-7
3. ZEROからの生命科学(第4版)(木下、小林、浅賀著)南山堂(2015年) ISBN 978-4-525-13414-3
4.カラー図解アメリカ版 新・大学生物学の教科書第1巻 細胞生物学(2021) D.サダヴァ著 講談社 ISBN:978-4-06-513743-7

学修をさらに掘り下げるために
1. エッセンシャル細胞生物学(原著第5版) B.Alberts et al 南江堂(2021年) ISBN 978-4-524-22682-5
2. プロッパー「細胞生物学」(第3版) G.Plopper著 化学同人(2022年)ISBN 978-4-759-82158-1(9784759821581)
3. ムーア「人体発生学」(原著第8版)医歯薬出版(2011年) ISBN 978-4-263-73134-5
4. ラングマン「人体発生学」(第11版)メディカル・サイエンス・インターナショナル(2019) ISBN 978-4-89592-839-7
5. 人体発生学講義ノート (第2版)塩田浩平著 金芳堂(2018)ISBN 978-4-7653-1740-5

人体発生学教科書(3〜5のいずれか)は、今後学修する組織学総論、組織学各論、人体発生学、人体解剖学などでも参考となる。