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領域名称: 臨床実習(4年次) (2022年度)

サブ領域名称: 臨床実習1(基本臨床実習) (2022年度)

ユニット名称: 病院病理科 (2022年度)

ユニット責任者渋谷 和俊
ユニット対象学年4 ユニット授業期間 ユニット時限数0 ユニット分類実習

ユニットについて

1)主訴からの診断推論を組み立てる、又はたどる。
・割り当て症例における診断依頼内容を理解すべく、病理診断学以外に他の領域の学修を行う。

2)疾患の病態や疫学を理解する。
・割り当て症例における鑑別診断につき、基本的な知識の復習を行う。

3)担当診療科の治療に可能な範囲で参加する。
・適切な診断を行うことが適切な治療に直結することを実感する。

4)担当診療科の基本的な診察技能について学ぶ。
・割り当て症例において、複数の所見を積み上げて適切な診断書を作成することを学ぶ。

5)どのように該当診療科にコンサルテーションすればよいかわかる。
・どのような診断依頼書を作成して検体とともに送付すればよいか学ぶ。


次の目標を達成するために、病理診断科および病理部で病理診断が下されるまでの過程と思考過程、コミュニケーションスキル等について学ぶ。
・課題探求・解決能力の涵養(モデル・コア・カリキュラムA-2-1)):病理診断の実践を通して、自分の力で課題を発見し、自己学修によって病態を理解し、正しい病理診断を導く能力を身に付ける。
・チーム医療の実践(モデル・コア・カリキュラムA-5-1)):保健・医療・福祉・介護並びに患者に関わる全ての人々の役割を理解し、連携する。医療チームの構成員として、病理医、臨床検査技師、医療事務・用務等のスタッフと相互の尊重のもとに適切な行動をとるとともに、後輩等に対する指導を行う。
・死と法(モデル・コア・カリキュラムB-2-1)):の判定と診断(異状死体の検案)について理解する。
・遺伝的多様性と疾患(モデル・コア・カリキュラムC-4-1)):病理診断を通じて、ゲノム・染色体・遺伝子の多様性と疾患との関連を理解する。
・細胞傷害・変性と細胞死(モデル・コア・カリキュラムC-4-2))
細胞傷害・変性と細胞死の病因と細胞・組織の形態的変化を理解する。
・代謝障害(モデル・コア・カリキュラムC-4-3)):糖質、タンパク質、脂質等の代謝異常によって生じる多様な疾患について理解する。
・循環障害、臓器不全(モデル・コア・カリキュラムC-4-4)):循環障害、臓器不全の病因と病態を理解する。
・炎症と創傷治癒(モデル・コア・カリキュラムC-4-5)):炎症の概念と感染症との関係、またそれらの治癒過程を理解する。
・腫瘍(モデル・コア・カリキュラムC-4-6)):発がんのメカニズムと、病態を理解する。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

全人的医療人教育などの知識・技能・態度が身に着いていること
多職種連携の重要さを理解していること 特に臨床検査技師や事務職員、用務職員との十分なコミュニケーションスキルを有すること
系統的解剖組織学的な知識が整理されていること
主要な疾患の病態に関する基本的な知識を有すること

ユニットの評価について(フィードバック含む)

臨床実習評価は、のルーブリック(評価表)を用いて指導医が行う。学生に事前にルーブリック(評価表)を開示の上、これに基づいて学生の臨床力を評価する。
ルーブリック評価表は、1)実習全体に関わる評価と2)病理診断科領域に関わる評価で構成される。
1)実習全体に関わる評価
①時間遵守に関する態度
②積極性・協調性に関する実習中の態度
③病理診断に供された検体を大切に扱う実習中の態度
④他者との関係構築に関する実習中の態度
⑤検体に付与された個人情報を大切に保護する実習中の態度
2)病理診断科領域に関わる評価
①消化器、呼吸器および泌尿・生殖器系を中心とした各器官・系統における主要疾患の概略に関する理解
②消化器、呼吸器および泌尿・生殖器系を中心とした各器官・系統における主要疾患の組織学的所見に関する理解
③消化器、呼吸器および泌尿・生殖器系を中心とした各器官・系統における主要疾患の病態生理に関する理解

指定教科書他

ロビンス基礎病理学第10版 豊國伸哉、高橋雅英監訳、エルゼビア・ジャパン、2018 東京、ISBN:978-4-621-30198-2