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領域名称: 臨床実習(4年次) (2022年度)

サブ領域名称: 臨床実習1(基本臨床実習) (2022年度)

ユニット名称: 精神神経科 (2022年度)

ユニット責任者根本 隆洋
ユニット対象学年4 ユニット授業期間 ユニット時限数0 ユニット分類実習

ユニットについて

精神疾患は、生物学的因子(Biological)、心理学的因子(Psychological)や社会的因子(Social)、すなわちBio-Psycho-Socialな因子が複雑に交絡し不可逆的に重畳することにより生じる(Howes et al., 2015)。これら発症に関連する因子が重畳し重篤化する前に、他の慢性疾患と同様、より早期に精神疾患を同定し、治療を開始し、予後を軽症で済まし、さらには発症そのものを阻止することが望まれる(早期介入)。
 見学型臨床実習においては、これらBio-Psycho-Socioの概要につきバランスよく学ぶことを目的とする。生物学的因子(Bio)の学習では、抗精神病薬や抗うつ薬を通し、ドパミンやセロトニン神経系の機能を学ぶ、また認知症症例などを通し、脳の機能局在を学習する。心理的因子(Psycho)の学習には、担当症例の診断基準を理解し、疾病特有の精神症状、精神活動やナラティブな心理的側面についても学ぶ。また、MMSEなどの心理テストを学ぶ。社会的因子(Social)の学習においては、担当症例を通じ、社会的な障害因子を学ぶとともに、社会保障制度や精神保健福祉法についても学習する。早期介入についてはイルボスコの実習を通じ学習する。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

精神医学全般につき知識を有していることが前提である。特に下記を理解すること。
1) 生物学的因子(Bio);抗精神病薬や抗うつ薬の薬理作用を説明できる。軽微な意識障害を診察できる。
2) 心理的因子(Psycho):評価;精神症状や、統合失調症、うつ病、認知症など主要精神疾患について説明できる。MMSEを施行できる。
3) 社会学的因子(Social);精神障害にも対応した地域包括ケアシステム、地域社会資源、精神保健福祉法について説明できる。

ユニットの評価について(フィードバック含む)

全診療科共通の評価基準である、時間厳守、積極性、協調性、予習 などの項目に加え、Bio-Psycho-Socioalや早期介入につき理解できているかを評価する。また、基本的な態度やコミュニケーションに加え、ナラティブな視点に立ち共感する姿勢を持てるかを評価する。

指定教科書他

標準精神医学第8版 医学書院
精神科研修ノート 改訂第2版 診断と治療社
ICD-10 精神および行動の障害 医学書院