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領域名称: 臨床実習(5年次) (2022年度)

サブ領域名称: 臨床実習2 (2022年度)

ユニット名称: 産婦人科 (2022年度)

ユニット責任者中田 雅彦
ユニット対象学年5 ユニット授業期間 ユニット時限数0 ユニット分類実習

ユニットについて

女性の健康をライフサイクルとライフスタイルに応じて適切に維持することが求められ、これに関連する疾患の予防・治療を行うのが産婦人科医療であり、その学問的基盤になるのが産科婦人科学である。
これは主に周産期医学、内分泌・生殖医学、婦人科腫瘍学、女性医学から構成されている。本実習により、各領域の知識と技術を学び、医学生として産婦人科疾患への理解を深め、診療チームに参加し、知識、臨床推論、臨床判断、技能、態度などの能力を実践的に身につける。
以下、具体的な学修目標を挙げる。

<産婦人科の学修目標>
1. 妊婦の周産期診察及び分娩に可能な範囲で参加する。
2. 女性の健康問題に関する理解を深める。
3. 主訴からの診断推論を組み立てる、又はたどる。
4. 疾患の病態や疫学を理解する。
5. 手術を含めた婦人科的治療に可能な範囲で参加する。
6. 基本的な婦人科診察技能について学ぶ。
7. どのように産婦人科にコンサルテーションすればよいかわかる。

上記の学修目標に対して5年生の診療参加型臨床実習では具体的に以下の方略を挙げる。
<産婦人科の学修方略>
1. 経腟分娩および異常分娩の立ち合い
・経腟分娩に立ち会う
・帝王切開分娩に立ち会う
・可能な限り器械分娩(吸引分娩)を見学する
2. 分娩経過中の胎児心拍数陣痛図を判読する
・胎児超音波検査に立ち会い、推定胎児体重の計測を行う
3. 問診を行う
・外来診療において初診患者の問診を行い、診療録に記載する
4. 臨床推論を行う
・外来診療において問診を行った患者に対する診察・検査内容について計画を立案する
・入院患者を担当し、初診から治療に至る過程を理解する
5. 手術に見学を行う
・産科手術(帝王切開など)、婦人科手術(腹腔鏡手術や婦人科悪性腫瘍手術)に立ち合い、女性生殖器の解剖や手術手技を学ぶ
6. 産婦人科診察手技を学ぶ
・外来診療や入院診療に立ち会い、診察手技を学ぶ
7. 他科診療科患者の産婦人科診察の必要性について学ぶ
・外来診療において、他科紹介患者の病歴を参照し、実際の診療に立ち会う

4週間のプログラム中では、外来診療の立ち合い、分娩見学、手術見学に加え、入院診療を必要とした患者を担当として受け持つ。
また、臨床実習に必要な知識、手技の学修のための講義に参加する。
第2週に症例発表を行い(case-based discussion, CbD)、第4週に更に総括発表を行う。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

産婦人科診察、解剖、性機能、妊娠についての基本的な事項について、3年生の産科婦人科学ユニットの復習および教科書を通じて予習する。
知識の確認に止まらず、実際の診察法、超音波検査などの画像の診断法、帝王切開などの手術方法等について予習する。
標準産科婦人科学第5版の以下の該当項目を読んでおくこと(約2時間)
・第1章:産婦人科診察
・第3章:女性性器の解剖
・第4章:女性の性機能
・第5章:月経
・第7章:不妊症
・第18章:妊娠の生理
・第21章:妊娠の管理
・第22章:分娩の生理

ユニットの評価について(フィードバック含む)

実習内で指導医からminiCEXにより形成評価が行われる。
指導医:以下の内、個々の学生の指導医となった教官により評価を行う。
小宮山 慎一、早田 英二郎、福田 雄介、釘宮 剛城、大路 斐子、坂本 智子、梅村 なほみ、長崎 澄人、佐久間 淳也
実習の最終週には、上記指導医の評価を参考にして診療科責任者(中田雅彦)により、総括評価(CbDを用いて)を行う。

指定教科書他

指定教科書:
・標準産科婦人科学第5版、2021年(ISBN:9784260042659):医学教育モデルコアカリキュラムに対応

参考書:
・病気がみえるvol.9婦人科・乳腺外科、2018年(ISBN:9784896322613):図表が多く解説が平易
・病気がみえるvol.10産科、2018年(ISBN:9784896324631):図表が多く解説が平易
・美帆とトラウベ 物語で学ぶ産科の急変・疾患・異常、2014年(ISBN:9784840449236):シナリオに基づいた疾患解説があるため読み物として活用できる