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領域名称: 臨床実習(5年次) (2022年度)

サブ領域名称: 臨床実習2 (2022年度)

ユニット名称: 精神科 (2022年度)

ユニット責任者根本 隆洋
ユニット対象学年5 ユニット授業期間 ユニット時限数0 ユニット分類実習

ユニットについて

精神疾患は生物学的、心理学的、社会学的因子、すなわちBio-Psycho-Socialな因子が複雑に絡んで生じる。当実習は、急性期〜慢性期あるいは児童・思春期〜老年期の各ライフステージにおける精神科治療や社会復帰など精神科医療の全般を、Bio-Psycho-Socialな側面より網羅的に学び、患者に接して理解を深めることを目的とする。全4週間の精神科実習のうち、第1,2及び第4週は総合病院の精神科閉鎖病棟である大森病院精神科病棟(6号館)または済生会東部病院精神科において、第3週は精神科専門病院の慢性期病棟、依存症専門病棟、デイケア等で学ぶ。
1)大森病院、東部病院における病棟実習では、急性期の統合失調症とうつ病の2症例を担当する。担当症例の実習期間におけるPANNSあるいはHAMDの得点の変遷をグラフ化し、同グラフに向精神薬の変遷、精神療法やケア会議が行われた日時も記入する。それを元に精神症状の改善や退院へ向けてのプロセスを理解しレポートを作成する。
生物学的側面(Bio)は、抗精神病薬や抗うつ薬の薬理作用と精神活動への関わりにつき考察する。心理的側面(Psycho)は精神症状を適切に同定できることを目指し、精神療法についても学ぶ。社会学的側面(Social)は、担当症例の社会的背景と退院へ向けての家族心理療法や地域社会資源についても学習する。早期介入の実践についてはイルボスコの実習も通じて学習する。
2)外来診療実習では、初診患者の現病歴と生活歴を聴取する。聴取においては、鑑別診断を挙げ確定診断に結びつけることができる情報を得る。老年期の患者にはMMSE等の簡易認知機能検査を実施する。
3)単科精神科病院(東京足立病院、井之頭病院、武田病院、西井病院)においては、精神疾患慢性期における病態、治療やリハビリテーションを学ぶ。具体的には、慢性期病棟での診療に参加する。デイケア、作業療法やリワークなどにも参加し、リハビリテーションや社会復帰に対する理解を深める。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

標準精神医学第8版を精読すること。

ユニットの評価について(フィードバック含む)

全診療科共通の評価基準である、時間厳守、積極性、協調性、予習などの項目に加え、精神科診療につき理解できたかを評価する。
また、基本的な態度やコミュニケーションに加え、患者や家族に共感する姿勢も評価する。

指定教科書他

標準精神医学第8版 医学書院
精神科研修ノート 改訂第2版 診断と治療社
ICD-10 精神および行動の障害 医学書院