領域名称: 人文・社会学 (2023年度)

領域責任者田崎 美弥子

領域について

 「人文・社会学」は「人文・社会学I」「人文・社会学II」があり、「人文・社会学I」は社会学・倫理学・心理学Iの3つのユニット、「人文・社会学II」は法学・心理学2の2つのユニットから構成される。
 
 医学教育コアモデルの大項目としては、以下が該当する。
 A-1 プロフェッショナリズム(倫理学)
 B-1 集団に対する医療(社会学)
 B-3 医学研究と倫理(倫理学)
 B-4 医療に関連する社会科学領域(社会学)
 C-5 人の行動と心理(心理学I/II)
 
 本領域の目的は、4つの科目を学ぶことで、相互の科目に共通する社会的動物としての人を取り巻く状況を理解し、より全人的に患者さんに対峙できるような意識と態度を育成することである。法学では、万が一の医療過誤や、医療ミスが生じた場合の法的な措置の知識を知り、予防を万全とする医療体制や医師としての在り方を考察できるようになる。倫理学では、その法的な知識を持ったうえで、生死が関わる葛藤状況において倫理的な視点を得る。社会学では、患者も何かしらの集団に所属していることで、生じる様々な葛藤があり、単なる社会的現象ではなく、その裏にある理論を理解することで、医療ミスが生じる背景を推察することができるようになる。心理学IおよびIIでは、健康な人間の心がどのように機能し、それがどのように病むかについて様々な視点から知識を得て、人を全人的に理解する。
 それにより、患者さんと対峙するときに、患者さんの臓器のみに焦点を当てるのではなく、患者さんの家族や学校、職場における対人関係や、経済的状況にまで洞察を持ったうえで、全人的に診察ができる医師を育成する。
 
 

領域の評価について

 人文社会学①及び人文社会学②は独立したサブ領域として評価される。
 
 1)サブ領域の評価判定は100点満点の評価で行い、グレードC以上(60点以上)を合格とする。サブ領域の最終GP評価は、各ユニットの評価を勘案した総合判定とする。
 2)グレードF判定(6割未満)のユニット評価が1つあっても、サブ領域のGP評価がグレードCの場合には、サブ領域の最終評価は合格と判定する。ただし、ユニットにF-がある場合は、60点以上であっても不合格となる。
 3)受験資格は、サブ領域の全講義回数の2/3以上の出席とする。不合格者は、ユニット単位ではなくサブ領域単位で本試験・再試験等を受験する。
 4)試験後、指定された日に教育ポータルで,模範回答例を公開する。3ユニットの得点の合計平均点がGPAグレードC以上(60点以上)であることが、サブ領域の合格要件になる。
 
 成績評価は本学のGP評価制度による。
 S 90点以上から100点
 A 80点から89点
 B 70点から79点
 C 60点以上から69点
 F 40点以上59点
 F- 0点以上39点
 

サブ領域名称: 人文・社会学① (2023年度)

サブ領域責任者田崎 美弥子

サブ領域について

人文・社会学①は、倫理学(15コマ)、社会学(15コマ)、心理学I(15コマ)の3つのユニットで構成される。
モデルコアカリキュラムの以下に該当する。

A-1 プロフェッショナルリズム(倫理学)
B-1 集団における医療(社会学)
B-3 医学研究と倫理(倫理学)
B-4 医療に関連ある社会科学的領域(社会学)
C-5 人の行動と心理(心理学①)

ユニット名称:[MM155-101J]社会学(2023年度)

ユニット責任者田崎 美弥子
ユニット対象学年1 ユニット授業期間1期 ユニット時限数15 ユニット分類講義

ユニットについて

<内容の紹介>
 第一に、社会学が現代社会をどのように特徴づけ、「いま」をどのように問題化するかを理解してもらう。第二に、第一で明らかになった社会学的知見を現代医療の諸相と関連づけることで、社会学の立場から現代医療をめぐる諸課題を明らかにします。こうした社会学的知見を医療現場における諸問題解決・克服法提示の一助とすることを講義の目標とします。
 この目標と達成するために、講義は三つの視点・論点から構成します。第一は「社会学とはどのような考え方をするのか」についての理解を主眼に置いた内容とし、具体的には、社会学的思考の諸潮流を理解してもらうことで、人文・社会科学としての「社会学的思考」を理解してもらう。
 第二に「社会学の対象(社会学は何について考えるのか)」への理解を、直接・間接的に医療に関りを有する社会学の基礎研究を素材として理解を深めてもらう。
 第三に、社会学の役割を「いまを語る言葉の創造」と位置づけ、われわれにとっての「いま」とは、いかなる特徴を有する社会であるかを、「社会学医学・医療」と関連づけ理解してもらう。
 この三点を入れ子構造のような形で構成し授業を展開する。

1.社会学とは - 社会学の研究対象ー
2.社会学の考え方 - なぜ「いつもそうするように」振る舞うのか -
3.組織という「しくみ」 - 支配と服従の社会学 -
4.権力が「私」をつくる - つくられる身体 -
5.日常生活世界 - 「当事者の立場」という視点 -
6.社会学に何ができるか - 解釈学的アプローチの学 -
7.家族難民 - 失われる「サポート」 -
8.文化資本 - 選別と排除の「元手」 -
9.マクドナルド化する社会 - マクドナルド化という鉄の檻 -
10.親密な関係 - 私にとっての他者 -
11.液状不安社会 - ルーティン喪失という恐怖 -
12.侵食される「私」 - 「私」にとっての -
13.差異を求める社会 - ゆらぐルーティン -
14.現代社会の諸相 - 私たちが生きる「いま」 -
15.まとめ - 社会学に何ができるか -


<準備学修>
「学修項目・準備学修」記載の当該授業回の「準備学修」記載事項を読み、対応した上で授業に臨んでください(約40分)。



受講前に必要とされる知識及び技能・態度

・社会学的な営みは「当たり前」を疑うことから出発します。ルーティンとしての日々の生活に「なぜ」と問いを発してみてください。
・自身が日々直接的に出会う出来事だけではなく、電車内の雑誌吊り広告に目をやったり、ネットニュースの特集記事を読んだり、小説や映画に触れる機会をもち、「社会」への関心を養い、「みんなにとっての問題」という視点を獲得してください。広い知見を得ることが、柔軟な思考を養う素地になるはずです。

ユニットの評価について(フィードバック含む)

評価はユニット単位でなく、サブ領域単位で評価する。

<評価の基準>
筆記試験60% 講義中のコメントペーパー20% 平常点(出席状況)20%
サブ領域の評価判定は100点満点の評価で行い、グレードC以上(60点以上)を合格とする。サブ領域の最終GP評価は、各ユニットの評価を勘案した総合判定とする。
グレードF判定(6割未満)のユニット評価が1つあっても、サブ領域のGP評価がグレードCの場合には、サブ領域の最終評価は合格と判定する。ただし、ユニットにF-がある場合は、60点以上であっても不合格となる。
受験資格は、サブ領域の全講義回数の2/3以上の出席とする。不合格者は、ユニット単位ではなくサブ領域単位で本試験・再試験等を受験する。

試験後、指定された日に直接フィードバックまたは、教育ポータルで,回答例を公開する。3ユニットの得点の合計平均点がGPAグレードC以上(60点以上)であることが、サブ領域の合格要件になる。

成績評価は本学のGPA評価制度による。
S 90点以上から100点
A 80点から89点
B 70点から79点
C 60点以上から69点
F 40点以上59点
F- 0点以上39点ユニットとしての評価は社会学、倫理学、心理学Iの平均点がGPA評価でグレードC以上(60点以上)を合格とします。

<小レポート・コメントシートに対するフィードバック>
対面授業の場合、毎回の授業でコメントペーパーを配布し、準備学修課題をを文章化してもらい授業の導入として活用します。課題へのフィードバックは当該授業を通じておこないます。非対面授業の場合は、授業内で指名・回答してもらい、授業終了後にGoogleClassroomを通じて提出してもらう予定です。

<定期試験に対するフィードバック>
定期試験では、「社会学的に考える」ということを理解しているかという点と、講義の骨子・要点の理解度(テクニカルタームの意味)、また、社会学的な医療へのアプローチを理解しているかを問います。成績評価の開示後の一定期間、試験問題についての質問、評価にたいする疑義を受け付けます。ただし、担当教員は非常勤講師であるため質問・疑義の受付とレスポンスはメール(tajima@ris.ac.jp)にて対応します。なお、メール送信する場合には、必ず件名を入力してください。件名のないメールはスパムメールとして処理されるので注意してください。

指定教科書他

教科書:特に指定しません。
参考書:那須壽編、2012年『クロニクル社会学』有斐閣アルマ、ISBN:978-4641120419。中川輝彦等編著、2018年『よくわかる 医療社会学』ミネルヴァ書房、ISBN:978-4623058211。
その他:講義はパワーポイントを使用します。授業開始時に印刷したスライドを配布します。

授業日程一覧(ユニット名称:社会学) (2023年度)

コマ数形態授業タイトル
1 講義「社会学」とは-社会学の研究対象-
2 講義社会学の考え方-なぜ「いつもそうするように」振舞うのか-
3 講義組織という「しくみ」-支配と服従の社会学-
4 講義権力が「私」をつくる-つくられる身体-
5 講義日常生活世界-「当事者の立場」という視点-
6 講義社会学に何ができるか-解釈学的アプローチの学-
7 講義家族難民-失われる「サポート」-
8 講義文化資本-選別と排除の「元手」-
9 講義マクドナルド化する社会-マクドナルド化という鉄の檻-
10 講義親密な関係-私にとっての他者-
11 講義液状不安社会-ルーティン喪失という恐怖-
12 講義侵食される「私」-「私」にとっての…-
13 講義差異を求める社会-ゆらぐルーティン-
14 講義現代社会の諸相-私たちが生きる「いま」-
15 講義まとめ-社会学になにができるか-
評価人文・社会学①(10:00~12:00・2実)
評価人文・社会学①(再)(10:00~12:00・多目1)
評価人文・社会学①(最終)(13:00~15:00・2実)