領域について
卒後の初期臨床研修を円滑に実施できることを視野に入れながら、5年次までに習得した医師として必要な基礎的知識および技術をもとに、積極的に医療に参加し、医療チームの一員として求められる態度・価値観・習慣を身につけること、地域医療やプライマリケアに関わることで医療システムや法的制度に則り、医療を実践できることを目標としている。
多様なニーズに対応できる医師を目指して、5年次に経験した「必修診療参加型実習」、「選択診療参加型実習」および「地域医療実習」の実習と統合型講義で学修した内容について、評価をもとに不足点を補い、長所をより伸ばすことで、さらにブラッシュアップさせる。
該当する医学教育モデル・コア・カリキュラムの大項目:G 臨床実習
サブ領域<臨床実習2(診療参加型臨床実習)>の学修目標:
指導医や研修医、さらには看護師や薬剤師等の他の職種も含めた診療チームの中で、医学生が一定の役割・責任を担いながら円滑に卒後臨床研修を行うことのできる知識・技能・態度を身に付けること。
領域の評価について
この領域に属するすべてのサブ領域が、GPA評価でGrade C以上で合格とする。
サブ領域について
東邦大学医療センター3病院(大森・大橋・佐倉)および協力病院にて実習を行う。
また東邦大学医学部の基礎教室における実習を選択することも可能である。
臨床実習3(選択性診療参加型臨床実習)の学修目標:指導医や研修医、さらには看護師や薬剤師等の他の職種も含めた診療チームの中で、医学生が一定の役割・責任を担いながら円滑に卒後臨床研修を行うことのできる知識・技能・態度を身に付けること。
該当する医学教育モデル・コア・カリキュラム中項目:
G-1 診療の基本
G-2 臨床推論
G-3 基本的臨床手技
G-4 診療科臨床実習
ユニット名称: 耳鼻咽喉科(佐倉) (2022年度)
ユニット責任者 | 鈴木 光也 |
ユニット対象学年 | 6 |
ユニット授業期間 | |
ユニット時限数 | 0 |
ユニット分類 | 実習 |
ユニットについて
耳鼻咽喉科疾患一般について実習を行う。耳疾患、鼻・副鼻腔疾患、咽喉頭疾患、頭頸部腫瘍疾患の所見の把握と診断、手術実習を経験して耳鼻咽喉科臨床を身につける。中でも、難聴・耳鳴・めまいは感覚器の異常症状としてもたらされる。耳鳴・難聴は聴覚の異常としてどの様な病態によって起こってくるのか。それはどの様な疾患であるのかを学ぶと共に聴覚はどの様にして音や言葉としての感覚機能を示すのかについて知る。めまいは平衡障害を理解する。難聴・めまい疾患を考察し鑑別できるようになる。内耳前庭はどの様な働きをする器官であるのかを改めて解剖と生理学を含めて学び、体の平衡機能はどの様になっているのか理解する。それは内耳から中枢を含めた総合的な平衡システムとその障害と症状を系統的な知識として得られるようにする。耳鼻咽喉科の頭頚部外科学は、脳・眼を除いた部位における疾患の手術療法について学ぶことが出来る。佐倉病院耳鼻咽喉科は、難聴・めまい回復センターを標榜して千葉県下での聴覚回復とめまい平衡障害の改善に向けた診療を行う神経耳科学をサブスペシャリティーとしている。これは、全国に先がけた施設であり、中耳炎や人工内耳を含めた聴覚障害回復とめまい疾患の診断と治療を行う専門治療センターである。聴力回復を目的とした鼓室形成手術は慢性中耳炎や耳小骨奇形などの中耳病変に対して大きな福音となることを学ぶ。手術で改善が困難な両側難聴に対して補聴器装用を考えその適応を学ばせる。補聴器の装用効果が見られない両側高度感音難聴に対しては、適応を十分に検討した上で人工内耳植込み術を施行するが、これら一連の診療を通して、聴覚障害の機構を学びその対応を考える力を養う。鼻・副鼻腔疾患に対しては、主に内視鏡手術を通じて鼻・副鼻腔の構造を理解しながら鼻・副鼻腔炎の成因と治療について学ぶ。佐倉病院耳鼻咽喉科における主な手術には慢性中耳炎と慢性副鼻腔炎があるが、慢性中耳炎の手術件数は年間80例以上と多く、様々な病態を学ぶことができる。 人工内耳植込み術はこれまでこれまで30例以上施行され、術前、術中、術後の経過を研修できる。また慢性副鼻腔炎の手術件数も年間150例以上と多く、近年ではアレルギー性鼻炎に対する外科的治療や鼻涙管閉鎖症に対する手術も毎月4-5例は行っている。このように耳、鼻領域のさまざまな疾患の手術症や検査を経験でき、丁寧な指導を受けられることが佐倉病院の特色といえる。頭頚部外科学については、甲状腺、耳下腺・顎下腺腫瘍の手術を中心に行っている。
受講前に必要とされる知識及び技能・態度
耳鼻咽喉科の解剖を理解して説明できるようにしておく。教科書に記載された頻度の高い耳鼻咽喉科疾患について予習する。外来での疾患、入院が必要な疾患、手術が必要な疾患それぞれの判断検査方法とその結果の解釈を理解する。
ユニットの評価について(フィードバック含む)
① 実習中の実習へ望む態度について重点的に担当教員によって評価を行う。
② 口頭試問によって知識と理解度の評価を行う。
③ 受け持ち症例についてレポートを作成する。
④ 手術、外来検査の助手を担当させ手技を評価する。
⑤ 外来にて医療面接を実施させ、記載内容を評価する。
⑥ すべてのサブ領域でGPA評価でGrade C 以上を合格とする。
指定教科書他
1): 「新耳鼻咽喉科学(第10 版)」、切替一郎・野村恭也 編著、南山堂、2005(A-1)
最も標準的な、耳鼻咽喉科の教科書であり改訂が繰り返されている。
2): 「研修医のための耳鼻咽喉科・頭頚部外科学 (第1 版)」、形浦昭克・増田 游編著、南山堂、1998
(A-2) 比較的初心者向きに分かりやすく書かれている。
3): 「New 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学」、喜多村 健・森山 寛 編著、南江堂、1999(A-3)
診断と治療を図解入りで分かりやすく説明してある。