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領域名称: 病態の科学 (2022年度)

サブ領域名称: 病態の科学① (2022年度)

ユニット名称: 免疫学 (2022年度)

ユニット責任者近藤 元就
ユニット対象学年2 ユニット授業期間1期 ユニット時限数15 ユニット分類講義

ユニットについて

•生物はその生命を維持するために細胞から個体に至るまで恒常性を保たねばならないが、そのために様々な仕組みを持っている。免疫系も病原体/異物を排除することで、個体レベルの恒常性維持に寄与するメカニズムである。免疫系の大きな特徴は自己と非自己の識別能力を持っていることにある。免疫学の目標は、このような自己/非自己認識能力獲得のメカニズムから恒常性維持のメカニズムまで、免疫系のいろいろな機能を解明することである。さらには免疫系の恒常性破綻を起因とする疾患を分子レベルで理解し、疾患の予防や治療に貢献することも、免疫学の目標に含まれる。近年の免疫学における進歩は目覚ましく現在もなお発展を続けているが、その知識や技術は生命科学のさまざまな他分野の発展にも寄与しており、生命科学の基礎としての側面もある。さらにその成果は臨床医学にも広く取り入れられ、病因の究明や診断・治療に用いられている。こうした現状を踏まえて、医学部における履修科目としての免疫学では、免疫応答の特徴を理解し、その担い手と仕組みについて基本となる考え方と知識を習得する。
•受講に当たっては指定された準備学修を終了した上で臨むこと。講義では学習内容の習得度の確認をするために、適宜形成評価および小テストを行う(評価については下記参照)。原則として各小テストごとに後でフィードバックを行うので、各自の学習の参考にも用いられたい。また各講義開始時に、当該講義に関連して身につけるべきmedical termsを提示する。
•学修形式としては従来型の講義の他に、遠隔授業や携帯端末を用いた双方向型の要素も必要に応じ適宜組み込んでいく。
•本ユニットは、医学教育モデル・コア・カリキュラムの小項目C-3-2に該当するが、適宜他の項目にも触れる。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

生化学・組織学の基本的知識、および意欲的な取り組み。各講義前に、教科書の該当する箇所(講義日程を参照)を読んでくる。

ユニットの評価について(フィードバック含む)

1. 小テスト:小テストはユニット評価の15%とする。
2. 第1期試験帯に行う試験はユニット評価の85%とする。評価試験は記述問題を主とするが、若干の多肢選択問題も交える。
3. 模範解答は公開しないが、評価の開示後、3日間に限りオフィスアワーにて個別の質問を受ける。

指定教科書他

免疫学は進歩が著しい分野であるため、教科書・参考書は必ず最新の版を参照すること。お金を惜しんで、先輩から代々受け継がれた教科書を使用しないこと。

1. 教科書
宮坂昌之、小安重夫、椛島健治 編集 「標準免疫学、第4版」 医学書院、2021 ISBN 978-4-260-04238-3
2. 参考書
 A. 中尾篤人 監訳 「基礎免疫学 原著第6版」 ELSEVIER、2020  ISBN 978-4-860-34661-4
B. 笹月健彦・吉開泰信 監訳 「免疫生物学 原書第9版」 南江堂、2019 ISBN 978-4-524-25115-5
  (世界的に広く用いられている教科書の日本語訳)
C. 熊ノ郷 淳 他 編集  「免疫学コア講義 改訂4版」 南山堂、2017 ISBN 978-4-525-16754-7
3. 入門書
  山本一彦監修 萩原清文著 「好きになる免疫学 第2版」 講談社サイエンティフィク、2019 ISBN 978-4-06-513903-5