領域について
「人文・社会学」は「人文・社会学I」「人文・社会学II」があり、「人文・社会学I」は社会学・倫理学・心理学Iの3つのユニット、「人文・社会学II」は法学・心理学2の2つのユニットから構成される。
医学教育コアモデルの大項目としては、以下が該当する。
A-1 プロフェッショナリズム(倫理学)
B-1 集団に対する医療(社会学)
B-3 医学研究と倫理(倫理学)
B-4 医療に関連する社会科学領域(社会学)
C-5 人の行動と心理(心理学I/II)
本領域の目的は、4つの科目を学ぶことで、相互の科目に共通する社会的動物としての人を取り巻く状況を理解し、より全人的に患者さんに対峙できるような意識と態度を育成することである。法学では、万が一の医療過誤や、医療ミスが生じた場合の法的な措置の知識を知り、予防を万全とする医療体制や医師としての在り方を考察できるようになる。倫理学では、その法的な知識を持ったうえで、生死が関わる葛藤状況において倫理的な視点を得る。社会学では、患者も何かしらの集団に所属していることで、生じる様々な葛藤があり、単なる社会的現象ではなく、その裏にある理論を理解することで、医療ミスが生じる背景を推察することができるようになる。心理学IおよびIIでは、健康な人間の心がどのように機能し、それがどのように病むかについて様々な視点から知識を得て、人を全人的に理解する。
それにより、患者さんと対峙するときに、患者さんの臓器のみに焦点を当てるのではなく、患者さんの家族や学校、職場における対人関係や、経済的状況にまで洞察を持ったうえで、全人的に診察ができる医師を育成する。
領域の評価について
領域評価は、春学期は「人文・社会学I」の社会学、倫理学、心理学の3ユニットの合計平均点がGPA評価でグレードC以上(60点以上)であり、秋学期は「人文・社会学II」の法学、心理学の2ユニットの合計平均点がGPA評価でグレードC以上60点以上であることとする。1科目が万が一Fであっても、平均点がグレードC以上であれば、合格となるが、Fが2つ、F-が1つあれば、不合格となる。
心理学Iにおける各ユニットの評価配分は心理学Iは34%、社会学、倫理学は33%とする。
心理学IIにおける各ユニットの評価配分は心理学IIは40%、法学は60%とする。
各ユニットの評価については、各項目を参照されたい。
ユニット名称: 法学 (2022年度)
ユニット責任者 | 田崎 美弥子 |
ユニット対象学年 | 1 |
ユニット授業期間 | 2期 |
ユニット時限数 | 15 |
ユニット分類 | 講義 |
ユニットについて
本講義では,社会人として,医師として,そして教養人として必要な法律に関する基礎知識について学んでいただきます。できる限り日常生活の具体的な事例を素材として提供した上で,それらを体系的に考察できる法的思考を身に着け,自らの見解を,自らの表現で,論理的に表現することができるようになることを目標としています。
そこで,まず,基本的な法律の読み方,法律的な考え方を説明しますので,これを踏まえて,みなさんが医師として社会に出て遭遇するであろう問題,例えば医療問題、安楽死・尊厳死・生殖医療と倫理,患者の自己決定権など,医療の現場で論点となっているテーマについて法的観点を中心に,考えていきます,
また,社会で耳目を集めている事案や事件について,法律的な観点からみるとどうなるのか,といったことをみなさん自身が判断できるようなレベルに到達していただきます。
その中で,法律がどのような形で影響を及ぼしているのか,どこに法律的な問題が眠っているのか,さらに,法律ができること(=法律の可能性),ならびにできないこと(=法律の限界)は何かという点について,議論のなかで一人ひとりが主体的に考察を深められるような機会を設けていきます。
講義では,みなさんにどんどんと発言してもらいたいと思っています。
差されるのが嫌だという気持ちもわかりますが,医師として社会に出た後,また国際社会にでた後で,そんな言い分は通用しません。
自分の意見をしっかりと持ち,それを論理的に説明できるのは学生のうちだけですから,恥ずかしがらずにどんどん発言してください。
自分はこう考える,という場合,なぜそう思うのか,どこにそう思うことの正しい根拠があるのか,など自問自答してください。自問自答しているうちに,思考する楽しさを体験できるでしょう。
受講前に必要とされる知識及び技能・態度
講義の時間が限られていますが,思いがけず早く終わりそうな場合には,みなさんが興味を持っている分野について法律的ににどう考えるのか,という観点での問答をしてみようと思います。
予習は,特に必要ありません。むしろ,講義で習った観点で世界を見てみること,今まで過ごした世界やこれから医療者として過ごす世界とは違った世界から物事を分析できます。多角的な視点をを持てるように意識してください。
ユニットの評価について(フィードバック含む)
未定。
ただし,ペーパーテストのウェイトは相当分となりますが,授業に積極的であったり,課外活動に積極的であったりした場合には,加点要素と致します。
ユニットとしての評価は、心理学IIとの平均点がGPAグレードC以上(60点以上)を合格とします。
指定教科書他
教科書:使用しない。
参考書等:山本聡著『法学の面白さ―法の起源から人権まで(改訂版)』(北樹出版、2013年)