領域名称: 医用理工学1 (2023年度)

領域責任者川口 高明

領域について

 現代医学においては,基礎医学及び臨床医学ともに高度な理工学的原理にもとづく計測・解析装置又は検査・治療装置を利用することが必須となっている。これらを有効かつ安全に使用して,さらに高度な医学の方法を目指すには,医用理工学的知識が不可欠と言える。このような事を鑑み,本領域では医学を学び始める学生が基礎医学及び臨床医学を理解する上で必要とされる理工学領域の基礎的な知識,理解力,技能を獲得することを目的とする。
 
 医学教育モデルコアカリキュラムへの対応:大項目
 A 医師として求められる基本的な資質・能力(医科物理学I/II,医用理工学1実習)
 B 社会と医学・医療(数理情報学I/II,医用理工学1実習)
 C 医学一般(医科物理学I/II,医用理工学1実習)
 D 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療(医科物理学I/II,医用理工学1実習)
 E 全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療(医用理工学1実習)
 
 サブ領域「医用理工学1-①」:
 現代医学において必須となる統計学の理論並びに物理学及び生体工学の基礎を理解する。
 
 サブ領域「医用理工学1-②」:
 サブ領域「医用理工学1-①」の学修を発展させ,統計学の医療応用並びに理工学の医療・医学への応用の実際を理解する。
 
 サブ領域「医用理工学1実習」:医科物理学,統計学に関するテーマを扱う。それぞれのテーマに応じて,計測,シミュレーション,データ分析,統計解析等の方法にもとづく実習を行うことで,各テーマにおける知識と技能を習得する。
 
 
 

領域の評価について

 領域「医用理工学1」に属するすべてのサブ領域(医用理工学1-①,医用理工学1-②,医用理工学1実習)が,GPA評価でグレードC以上で,当該領域の合格となる。
 

サブ領域名称: 医用理工学1-① (2023年度)

サブ領域責任者川口 高明

サブ領域について

医学を学び始める学生が基礎医学及び臨床医学を理解する上で必要とされる理工学領域の基礎的な知識,理解力,技能を獲得する。

医用理工学1-①は,数理情報学Ⅰ(23コマ),医科物理学Ⅰ(7コマ)の2つのユニットで構成される。

数理情報学Ⅰ:医学において必要となる確率論,記述統計,推測統計の理論を理解する。
医学教育モデルコアカリキュラムへの対応:中項目
A-2(医学知識と問題対応能力),B-1(集団に対する医療)

医科物理学Ⅰ:医学において必要となる物理学及び生体工学をもとに細胞及び生体物質の電気生理学的特性並びに人体の電気的検査方法の基礎を理解する。
医学教育モデルコアカリキュラムへの対応:中項目
A-2(医学知識と問題対応能力),A-6(医療の質と安全の管理),A-8(科学的探究),C-2(個体の構成と機能),D-2(神経系)

ユニット名称:[MM300-101J]医科物理学Ⅰ(2023年度)

ユニット責任者川口 高明
ユニット対象学年1 ユニット授業期間1期 ユニット時限数7 ユニット分類講義

ユニットについて

医学を学び始める学生が基礎医学,臨床医学を理解する上で必要とされる物理学及び生体物性の基礎的知識を習得し,物理学と医用工学基礎の視点から生体に対する考察能力を身につけることを目標とする。
ここで,生体物性を理解する場合において,物理学と医用工学の基礎的知識は基本的な重要性をもっている。そして,特に電気及び電磁波に関する物理量の計測及び制御等は基礎医学及び臨床医学の検査及び治療において重要な手法となっていることを鑑み,本講義では医学を学ぶ者にとって必要と考えられる電気と電磁波の基本と生体関連への応用について学ぶ。
理解を深めるために,講義にて例題又は課題を適宜提示し,直ちにもしくは次回にその考え方・解答等を説明する。
講義で提示した例題・課題に対する理解度は学修レベル判断の参考となる。
講義聴講前に,前回の講義で学んだ内容について,資料と参考書をもとに復習しておくこと。(約40分)
なお,講義資料はMoodleに掲示する。

医学教育モデルコアカリキュラムへの対応:小項目
A-2-1,A-6-1,A-6-2,A-8-1,C-2-1,C-2-2,D-2-1,D-2-2

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

高等学校の物理基礎,物理に相当する知識の中で,特に,力学,熱,電磁気の各分野について基礎的理解が重要である。
これらの分野の理解を確かなものにしておくこと。(約1時間以上。但し,受講者各自の理解度による)

ユニットの評価について(フィードバック含む)

サブ領域単位で評価する。
期末に論述式(約8割)・多肢選択式(約2割)の筆記試験を行う。
物理量の計算能力,各種モデル及び物理現象・効果についての理解力,生体等に関する問題への物理学的な応用力を判定する。
フィードバックについて:Moodleまたは教育ポータルへ講評等の掲示,または開示後2日間に限り,可能な範囲で問題点または内容について説明する。
最終判定については,筆記試験の得点率をもとに,GPA評価のグレードで表す。

指定教科書他

講義資料を配布する。

参考書
1)「生物学と医学のための物理学」,P. Davidovits著(曽我部正博監訳),共立出版,2015.
2)「生体計測工学入門」,橋本成広著,コロナ社,2000.
3)「医用工学概論」,嶋津秀昭他著,医歯薬出版,2005.
4)「医歯系の物理学」,赤野松太郎他著,東京教学社,1987.

授業日程一覧(ユニット名称:医科物理学Ⅰ) (2023年度)

コマ数形態授業タイトル
1 講義生体物性と検査の基礎(電解質水溶液におけるイオン・微粒子の基礎物性,物理的検査法の基礎)
2 講義生体の電気的性質(生体の導電的/誘電的性質,受動的/能動的特性)
3 講義生体の電気的性質(電流の生体作用とその医療への応用)
4 講義生体の電気的性質(生体電位発生の物理的機序,体組成の電気的計測)
5 講義生体と電磁気・電磁波(電流刺激と膜電位,電磁場と電磁波の生体への影響)
6 講義生体の光学的性質と検査法(生体の光学的性質と検査,可視光・赤外線・紫外線の特徴と医療応用,視力検査,レンズの光学 )
7 講義生体の光学的性質と検査法(組織における光の吸収・透過の基礎,光学的性質の医療への応用)
評価医用理工学1-①(10:00~11:30・2実)
評価医用理工学1-①(再)(10:00~11:30・2実)
評価医用理工学1-①(最終)(15:30~17:00・2実)