領域について
本領域はサブ領域「課題解決学習基礎編2」のみからなり、サブ領域「課題解決学習基礎編2」はユニット「PBLテュートリアルII」のみからなる。
本領域は課題解決学習の一端として、小人数グループで相互に学び合い、発展的な課題に取り組みながら、自学自習の態度、情報収集能力、科学的かつ批判的な思考力、グループ討論能力やプレゼンテーション能力を実践的に養う。学生は、課題を通して、履修済みの知識と新たに修得する知識を統合し、より幅広い理解に到達する。さらに、理解したことを他人にプレゼンテーションし、質疑応答することで、より深い理解を得ることができる。自由度の高いレポート課題に取り組み、各学生の能動的な学修成果として文書にまとめる。このような学修プロセスによって、新しい医学的知識・情報の取得・理解および応用という将来にわたって医師及び医学研究者として基礎となる姿勢・態度を身につけることを目指している。
本領域は医学教育モデル・コア・カリキュラムの以下の項目を中心に、関連する領域の知識を発展的にカバーするが、特に「A 医師として求められる基本的な資質・能力」のサブ項目の実践に重点を置く。
A 医師として求められる基本的な資質・能力(A-2 医学知識と問題対応能力、A-4 コミュニケ-ション能力、A-8 科学的探究、A-9 生涯にわたって共に学ぶ姿勢)
C 医学一般
D 人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療
領域の評価について
ユニット(PBLテュートリアルII)の評価を参照。
ユニット名称: PBLテュートリアルⅡ (2022年度)
ユニット責任者 | 内藤 拓 |
ユニット対象学年 | 2 |
ユニット授業期間 | |
ユニット時限数 | 15 |
ユニット分類 | 演習 |
ユニットについて
医学の発展はまさに日進月歩で、医師であれ医学研究者であれ適切に仕事を遂行するためにはキャリアを通して絶えず学び続けることが必要となります。また将来仕事をしていく中で直面する課題を解決する際にはそのような学びだけでなく、他人と議論したり意見交換したりすることで解決のアイディアを得ることも重要になってきます。本ユニットでは、小人数グループで発展的な課題を学び解決していくことを通じて、そのような能動的な学修と協同作業の重要性やメリット、さらには楽しさを実感してもらうことを目指しています。つい斜に構えたり物怖じしたりしそうになるかもしれませんが、そういったことはいったん脇に置いて討論の輪に参加してみて下さい。きっと新しい発見や気づきがあると思います。
[詳しい説明]
•本ユニットは、将来の医師及び医学研究者として必要な2つの能力を涵養することを目的としています。そのひとつは基本的学修能力であり、これには提示された医学的シナリオから様々な課題を抽出する能力、正確な情報を正しい情報源から収集する能力、科学的な思考力を用いてグループ内で徹底的に討論する能力、学修課題についてのプレゼンテーションを作成・発表し的確に質疑応答する能力、そして必要な情報を過不足無く盛り込んだ読みやすくレポートを作成する能力が含まれます。もう一つ重要なのは協働して作業をする能力であり、グループの中で建設的な関係を構築する能力、グループワークを通じ互いに学ぶことで多面的に問題を検討する能力が含まれます。
•本目的を効果的に推進するため、学生を指導するテュータは知識の供給者としてではなく、学生の自主的な取り組みの支援者として参加します。
•演習中、もしくは演習後にシナリオ作成者によるグループワークへのフィードバックや、シナリオ解説も適宜実施します。
•提示されている日程は目安であり、学修シナリオごとに詳細は異なります。
•本ユニットは特別な社会的状況が生じない限り、対面で行う。ただし学修の補助として、必要に応じ各種オンラインプラットフォームを用います。
本ユニットは、主として医学教育モデル・コア・カリキュラムの小項目A-2-1、A-2-2、A-4-1、A-8-1およびA-9-1に関連しますが、必要に応じて大項目C、D、Eの内容にも触れます。
受講前に必要とされる知識及び技能・態度
本ユニットの受講者は、すでに履修済みの「生体の構造」、「生体の機能」、「生体物質の科学」および「病態の科学」の知識や考え方の復習が準備学修となります。また本ユニットを受講する上で非常に重要なのは、未履修の新しい学修課題に対して積極的・能動的に取り組む態度と、他者と協調的に建設的な議論や対話をする態度です。
ユニットの評価について(フィードバック含む)
•評価の内訳は、演習中の評価が40%、小グループ発表会が30%、レポートが30%を占めます。
•テュートリアル授業の評価対象は、他者との良好なコミュニケーションを築こうとする態度、知識・意見・情報を積極的に共有する態度、共有された情報を批判的に吟味する能力、および建設的なディスカッションを通して情報を統合する能力です。
•小グループ発表会の評価対象は、修得した知識を論理的かつ説得力を持ってプレゼンテーションする能力、他人のプレゼンテーションに対して疑問点を言語化して適切な質問を行う能力、質問者の疑問に適切に応答する能力です。
•レポートの評価対象は、学修対象に対する深く広い理解を修得する能力、およびその理解を整理してわかりやすく記載する能力です。
•フィードバックは、終了後必要に応じて個別に行います。
•いずれの項目においても、非協力的な態度、不正な行為、他者に対する配慮の欠如など、将来の医師としての自覚に欠ける行動については、厳格な評価の対象となります。
指定教科書他
「生体の構造」、「生体の機能」、「生体物質の科学」および「病態の科学」各ユニットの教科書および参考書に準じます。