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領域名称: 病態の科学 (2022年度)

サブ領域名称: 病態の科学 実習 (2022年度)

ユニット名称: 病態の科学実習Ⅲ(病理学) (2022年度)

ユニット責任者三上 哲夫
ユニット対象学年2 ユニット授業期間実習 ユニット時限数30 ユニット分類実習

ユニットについて

病態の科学実習③には顕微鏡実習、染色実習、症例検討実習がある。
顕微鏡実習では、講義で学んだ基本的病変について、顕微鏡標本を自ら観察しスケッチしながら理解を深める。(第3実習室、自分の教科書など、筆記用具、色鉛筆、スマートフォンを持ってくる)

染色実習では、学生が実際に免疫組織化学染色を行い所見をとることを通して、病理学的手法について理解し、所見が意味することを自ら考える練習をする。

症例検討実習では、これまでの講義と実習において得た知識を活用し、班ごとに一症例の肉眼所見・組織所見(一臓器分ではない)を検討し、疾患を全身との関連において理解する姿勢を身に着ける。班ごとに別の症例が当てられており、班内で学生間で議論する姿勢も望まれる。
実際の患者で起きることを理解するためには、ある疾患によってマクロ的に起こっていること、ミクロ的に起こっていること、各臓器で共通して起こること、連鎖的に起こることなどを、総合的に考察しなければならない。症例について考察するためには、病態の科学各ユニットのコマ切れの知識を有機的に結び付けていく必要がある。

本ユニットは、医学教育モデル・コア・カリキュラムでは以下に対応する。
 C-4-2)細胞傷害・変性と細胞死
 C-4-3)代謝障害
 C-4-4)循環障害、臓器不全
 C-4-5)炎症と創傷治癒
 C-4-6)腫瘍

実習科目であり、対面での実施を予定しているが、もし新型コロナウイルス感染症により登校できない事態になった場合は、遠隔環境での実習を考慮する。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

生体の構造、生体の機能で学んだ知識。
病態の科学①②と病態の科学実習①②で身に着けた知識、観察能力、思考力。
本実習では、学習することはもちろん重要であるが、実際にお亡くなりになった患者がいることを忘れてはならない。医学生として礼を失することの無きよう。

ユニットの評価について(フィードバック含む)

以下の#1と#2をもとに30:70の比率で算出する。(本ユニットの評価は病態の科学実習サブ領域の30%に当たる)
0 顕微鏡実習では、各実習の課題を提出(PowerPointで作成、pdfで提出)する。(評価して返却する、形成評価として扱う)(Google classroomかMoodleにて)
1 一人一人に課題を設定し、A4三枚程度のレポートを提出する。詳細は別にアナウンスする。
2 症例検討実習では、
 ①班ごとに症例のレポートを作成する(A4一枚)。
 ②最終日は発表会であり、各班の症例を班ごとに発表する(発表会そのものは病態の科学病理学講義の枠で行う)。
レポートと発表について学生の相互評価と教員評価を一定の比率で足し合わせて、症例検討実習の素点とする。これに個人に対する学生の相互評価から加点する場合がある。

実習中に医学生として不適当な行為(いわゆるアンプロフェッショナルな行為や学修意欲がないことなど)が見られた場合、減点する。その概要については実習の開始時に提示する。

指定教科書他

教科書はまず、
1.豊國、高橋監訳 ロビンス 基礎病理学 原書第10版:丸善出版、東京、2018 とする。(ISBN-10: ‎ 4621301985)

日本の教科書では比較的最近改版されたものとして下記を挙げておく。
2.坂本、北川、仁木編 標準病理学 第6版:医学書院、東京、2019 (ISBN-10: ‎ 4260036599)

組織病理アトラスは下のいずれかを実習時必携とすること。
3. 深山、小田、坂本他 編 組織病理アトラス 第6版:文光堂、東京、2015 (ISBN-10: ‎ 483060476X)
4. 深山編 病理組織マップ&ガイド:文光堂、2014 (ISBN-10: ‎ 4830604743)
5.坂本、北川、菅野著 組織病理カラーアトラス 第3版:医学書院、東京、2019 (ISBN-10: ‎ 4260045903)