科目名称:[MM991-102J]選択人文・社会学Ⅲ(2023年度)

科目責任者川嶋 潤
科目対象学年1~3 科目授業期間秋学期 科目時限数15 科目分類演習

科目について

言葉のやりとり(対話、会話)によって、患者や医療者と情報を共有したり、相互理解を深めたりすることは、医師に欠かせない能力です。「話すこと」「聞くこと」「読むこと」について、言語学上の観点も含めた解説と、その知識を基にした実習を繰り返し、コミュニケーション能力を集中的にトレーニングします。個人・グループワークや相互批評も取り入れた、受講者参加型の講座です。学生生活はもちろん、将来、医師として、社会人としての暮らしに役立つ知識と能力を身につける、実践的な内容です。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

「話す」「聞く」「読む」トレーニングは、基本的な理論や知識の習得に加えて、実践が極めて重要です。授業中のワークに積極的に参加すること、段階的にレベルアップを図るカリキュラムのため欠席や遅刻をしないこと、各回の予復習(発表準備や振り返り)を行うことを希望します。また、コミュニケーションでは、「どう話すか(話し方)」に加えて「何を話すか(内容・話題)」が重要ですから、日頃から他者や社会の出来事に、関心を持つように努めてください。

科目の評価について

必要出席日数を満たしたものについて、「毎回の授業の態度・理解度」「中間発表」「修了発表」で、目標レベル(態度・理解度=30%、中間発表・修了発表および実施後の自己評価レポート=70%)の評価を行います。GPA評価でグレードC以上の領域のものが合格となります。なお「発表」の結果については、受講者全体としての講評を、教務を通じて配付します。

指定教科書他

その都度、紹介します。

授業日程一覧(ユニット名称:選択人文・社会学Ⅲ) (2023年度)

コマ数形態授業タイトル
1 演習【オリエンテーション】~自己点検~ 自分のふだんの話し方(組み立て、言い回し、印象、癖など)を自己点検し、本講座の受講にあたっての目標を設定する。あわせて、会話やスピーチを伝わりやすくするための観点を解説する。
2 演習【伝わる話し方(1)】~声に出す、声を出す~ 各自の到達度や意識(得意・苦手)に適した、話すスキルの練習プロセスを紹介する。伝わる話し方の出発点である「声を出す」「アクティブに話す」ことについて演習を通して習熟する。
3 演習【伝わる話し方(2)】~日本語を使いこなす~ 日本語の特性を踏まえて、正しい言葉遣い、わかりやすい表現について確認する。あわせて、言葉遣いに対する誤解や陥りやすい誤りなどの例を紹介し、実践に活かす。
4 演習【伝わる話し方(3)】~相手を意識して話す~ 聞き手がストレスなく受け入れることができるよう、主張を筋道を立てて説明するための構成を理解し、演習で実践する。
5 演習【伝わる話し方(4)】~何を伝えるかを考える~ 準備した情報の中から、伝えるべきもの、伝える価値のあるものを選び取る観点を理解し、演習で実践する。
6 演習【中間発表(1)】~トーク実習~ 1~5回の授業で学んだ知識やスキルをもとに、指定のテーマについてクラス内で発表する。あわせて、学生による相互批評と講師によるフィードバックを行う。
7 演習【中間発表(2)】~トーク実習~ 1~5回の授業で学んだ知識やスキルをもとに、指定のテーマについてクラス内で発表する。あわせて、学生による相互批評と講師によるフィードバックを行う。
8 演習【インタビュー(1)】~基本的な態度と質問のスキル~ 効果的に話を聴くための前提となる基本的な態度、かかわり方、および質問の種類や使い分けを理解し、演習を通して実践する。
9 演習【インタビュー(2)】~インタビューの構造化~ 導入から共感の形成、主訴の把握、話題の展開に至るプロセスを理解し、態度や質問を実践して、インタビューを演習する。
10 演習【インタビュー(3)】~インタビュー実習~ 8・9回の授業で学んだ知識やスキルをもとに、ロールプレイングを行う。あわせて、学生による相互批評と講師によるフィードバックを行う。
11 演習【インタビュー(4)】~インタビュー実習~ 8・9回の授業で学んだ知識やスキルをもとに、ロールプレイングを行う。あわせて、学生による相互批評と講師によるフィードバックを行う。
12 演習【ケーススタディ(1)】~チームによる問題解決~ 発表やインタビューで学んだ知識やスキルの応用として、グループでディスカッションし問題解決に取り組む。伝え方、聞き方、ことばの持つ意味について、総合的に理解する。     
13 演習【ケーススタディ(2)】~チームによる問題解決~ 発表やインタビューで学んだ知識やスキルの応用として、グループでディスカッションし問題解決に取り組む。ここで得た問題意識をもとに、修了発表のテーマを各自で選ぶ。
14 演習【修了発表(1)】修了発表に向けて準備やリハーサルを行う。
15 演習【修了発表(2)】各自が選んだテーマについての発表と、学生・講師からの質疑応答により、「話す」「聞く」力を総点検する。