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コース名称: 自然・環境科学 (2022年度)

科目名称: 選択化学Ⅰ (2022年度)

科目責任者岡 真悠子
科目対象学年1 科目授業期間春学期 科目時限数15 科目分類講義

科目について

化学的知識および処理能力の修得は、将来医療人として働く上で重要な意味を持つ。医療の現場には、物質の血中濃度や輸液の成分など様々な種類の濃度表現が溢れている。本科目では、溶液の濃度計算方法の修得を第一目標とし、化学反応の定量計算や有効数字の取り扱いを学ぶことで、医療人に求められる最低限の化学的センスを身に着けることを目指す。

学修目標:
医療現場で使われる濃度単位を適切に使い分けることができる。
医学研究をおこなう上で必要とされる有効数字の正しい取り扱いができる。
緩衝作用や酸化還元反応など、生体の理解の基礎となる化学的知識を身につけ、定量的に議論できる。

本講義は、医学教育モデル・コア・カリキュラムの以下に該当する。
A-8-1 医学研究への志向の涵養

授業の内容:
本科目では、必修科目である生体物質の科学実習および生体無機化学の考え方を踏襲しつつ取り組むことができ、より実践に近い題材を取り上げる。

授業の進行:
授業は、事前に掲示される講義資料を用いて進行する。
授業前半は講義資料の解説をおこない、後半ではスライドと板書を併用した問題演習をおこなう。各自ノートを用意し、必要事項を記録すること。
授業終了10分前を目安にポストテストを掲示する。問題の内容は、授業中に扱った演習と同程度とする。ポストテストは各自のノートに解答し、原則として授業時間内に取り組む。提出締め切りは授業当日中とし、オンライン提出する。提出方法の詳細は初回授業時に説明する。

準備学修:
日程表に記載された各回の準備学修事項を踏まえ、事前に掲示される講義資料に目を通すこと(各回につき約30分)。
授業は前回までの学修事項を前提に進行するため、各回の授業後には必ず復習をおこなうこと(各回につき約1-1.5時間)。

フィードバック:
ポストテストの模範解答は、授業ごとに公表し解説を付記する。ポストテストの返却は、原則として1週間後(次回授業時)におこなう。

アクティブラーニングの要素:
本科目では、毎回の授業において問題演習を行い、講義内容の理解度を自分で確かめることができる。また、ポストテストは採点後速やかに返却され、授業ごとの到達度を客観的に知ることができ次回以降の授業に活かすことができる。
事前に掲示される講義資料の中には適宜小問が設けられており、自学自修によって予め解答を考えた上で授業に臨むとより学修効果が高まることが期待される。アクティブラーニングの一環として、講義資料の内容に基づく質問を教員から投げかける時間も設ける。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

本科目では、高校レベルの化学的基礎知識を前提とするが、自学によって十分に補うことが可能である。不足する領域がある場合には、リメディアル化学の受講等で補うこと。本科目は基礎学力の定着を重視するため、化学に苦手意識のある学生の積極的な受講を期待する。
授業全体を通して物質量の理解は重要事項となる。量りとった質量を物質量に変換する方法を中心に復習しておくこと。(約1-2時間)

科目の評価について

評価は、ポストテスト(全15回、各5点、計75点)とレポート課題(1回、25点)の合計でおこなう。GPA評価でグレードC以上(60点以上)で合格となる。レポート課題は、第12回授業終了後に掲示する。期末試験はおこなわない。
出席は単位取得の要件とはされないが、講義中におこなわれるポストテストが評価対象となることに留意すること。

指定教科書他

教科書は特に指定しない。参考文献は各回の講義資料に掲載する。
代表的なものとして以下の参考書が挙げられる。
斎藤勝裕ほか、「コ・メディカル化学 -- 医療・看護系のための基礎化学」、2013年、裳華房、ISBN 9784785330972
Karen Timberlake, William Timberlake 著 (渡辺正、尾中篤訳)、「ティンバーレイク 教養の化学」、2013年、東京化学同人、ISBN 9784807908226

この他
赤岩英夫 編、「分析化学実験」、1996年、丸善株式会社、ISBN 4621042254
梅澤喜夫ほか編、「分析化学実験」、1999年、東京化学同人、ISBN 4807904817
など、大学レベルの分析化学の教科書も推奨する。