科目名称:[MM480-101J]選択環境科学Ⅱ(2023年度)

科目責任者平 敬宏
科目対象学年1~3 科目授業期間秋学期 科目時限数15 科目分類講義

科目について

はじめに、 
『環境科学II』は、生物学、化学、物理学の3領域からなる。
授業資料の配布、課題レポートの提出などは、Moodleを利用する。
授業資料は、Moodleに収載するため、資料の印刷物は配布しません。


学生による反転授業(研究発表)、課題についての少人数討論によるアクティブラーニングを導入する予定である。




 20世紀以降、人間を取り巻く環境は、人口増加による二酸化炭素排出量の増加、環境開発と環境破壊、科学技術の進歩などから急激な変化がもたらされている。
 「選択環境科学II」では、地球環境と人間の関わりあいを学び、変化する環境により出現した諸問題について理解することを目的とする。

講義は、前半5回は、生物学分野を対象とし、環境変化と人間を中心とした生物の機能不全現象やヒトの疾患と環境の関わりを理解する事を目的とする。
中盤5回は、化学分野を対象とし、環境大気汚染と地球環境(全2回)、化学と人間環境(全3回)について学ぶ。
終盤5回は、物理学分野を対象に、発電のしくみと特性、環境及び社会に与える影響を理解する事を目的とする。



本講義は、医学教育モデル・コア・カリキュラムの以下に該当する。
A 医師として求められる基本的な資質・能力
  A-8 科学探究心
    A-8-1 医学研究への志向の涵養

C 医学一般
  C-1 生命現象の科学
    C-1-1 生命の最小単位-細胞
  C-2 個体の構成と機能
    C-2-3 個体の調節機能とホメオスタシス
    C-2-5 生体物質の代謝
  C-3 個体の反応
    C-3-1 生体と微生物
    C-3-2 免疫と生体防御
    C-3-3 生体と薬物

E 全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療
  E-2 感染症
    E-2-1 病態
  E-5 物理・化学的因子による疾患
    E-5-3 疾患
  E-6 放射線の生体影響と放射線障害
    E-6-1 生体と放射線
    E-6-3 放射線リスクコミュニケーション


準備学習:
生物学分野:講義前にMoodle に掲示する講義資料をしっかり予習してくること(15〜30分)。
化学分野:講義前にMoodle に掲示する講義資料を予習してくること(15〜30分)。
物理学分野:「指定教科書他」の欄に挙げるエネルギー問題の概論に目を通しておくことが好ましい(15〜30分)。

フィードバック:各分野の評価の欄に記載する。

受講前に必要とされる知識及び技能・態度

環境を理解するには、化学や生物学・物理学の知識のみならず、人文・社会学、基礎医学、臨床医学の広範領域の基本知識が求められる。

生物学領域では、1年春学期に学んだ、生体の構造1-①、生体の機能1-①、物質の科学1-①の知識をしっかり身に付けていること。また、講義前にMoodleに収載された講義資料をしっかり予習してくること(15〜30分)講義中には、随時質問をする。質問へ積極的に答える能動的態度が重要である。

化学領域では、毎回の講義は各々独立したテーマであり、かつ既習科目とも独立している。そのため毎回の講義に興味と関心を持って臨むことが前提となる。生体無機化学および生体有機化学Iの内容は理解の一助となるが、分析化学、環境化学など化学に関して広い興味と関心を持っていることが重要となる。講義前に配布する講義資料をしっかり予習してくること(15〜30分)。

物理学領域では一般常識レベルの科学知識以外は事前に要求しない。ただし高校物理を正しく習得、あるいは「選択物理」を事前に受講していれば理解の助けになる。


科目の評価について

各領域での評価の詳細は以下の通り。

この科目は、物理学、化学、生物学の3領域からなり、配点は1/3ずつとする。そのため、3領域すべてに合格基準を満たす必要がある。
2023年度は、対面授業で行う。そのため、15回の講義のうち10回以上出席した学生に対してのみ評価を行う(2/3以上の出席)。
また、各領域5回の授業のうち、3回欠席するとその領域の合格がかなり困難となる。

生物学分野領域
 生物領域の講義で扱った課題に関連するテーマで、レポートを作成する。文量などは自由とする。出典・引用を明らかにすること。また、必ず自身の意見・分析を加えること。内容が不十分または意図が不明なレポートには、口頭での追加説明を求めることがある。(評価割合100%)Moodleに提出を予定している。
 フィードバック:提出されたレポートは、講評や質問、補足意見を添えて返却する。優れたレポートは、作成者の承諾を得たのち公表することがある。生物学領域の評価は、このレポートと毎回の講義での質問の回答内容を総合して評価する。
 また、その日の講義に対して、講義内容に準じた内容のポストテストを実施することがある。

化学分野領域
  各回の授業終了時に行うポストテスト(多岐選択式:20%)および各回の授業中に出題される小レポート(論述形式:80%)の合計によって評価する。小レポートの内容は、各回の授業で扱った所定の項目について、指定された文献等での調べ学修を加え論述するものである。分量は、A4レポート用紙半分程度を目安とするが自由である。ポストテストは授業当日中に、小レポートは原則として1週間後に提出する。
フィードバック:ポストテストは、提出後即時に採点結果および解説が開示される。小レポートは要望に応じて個別に開示・説明する。

物理学分野領域
 各回の終わりに行う論述形式の小テストで評価する。その回の講義内容から出題する。答案の内容についMoodleおよび(最終回実施分を除いて)次回講義に おいて講評を行う。(小テストの合計を100%として評価する。)

3領域の平均点を最終成績とする。

指定教科書他

生物学領域: 特に指定しない。毎回の講義では、事前に講義資料をMoodleに掲示する。また、各講義テーマに関する参考図書を事前に提示する。

化学領域: 特に指定しない。必要に応じて講義資料をMoodleに掲示する。

物理学領域: 教科書は指定しない。
参考書として以下を挙げる。
「エネルギー問題入門」、リチャード・ムラー 著 二階堂行彦 訳、楽工社、 2014年 、ISBN978-4-903063-65-2
「知っておきたい熱力学の法則と賢いエネルギーの選択」、リチャード・S・ス タイン、ジョセフ・パワーズ 著、安部明廣 訳、エヌ・ティー・エス、 2012年、ISBN978-4-86469-000-3

授業日程一覧(ユニット名称:選択環境科学Ⅱ) (2023年度)

コマ数形態授業タイトル
1 講義食環境と健康(1)
2 講義食環境と健康(2)
3 講義地球温暖化と感染症(1)
4 講義地球温暖化と感染症(2)
5 講義内分泌かく乱物質と エピジェネティック破綻による疾患
6 講義環境大気汚染(1) 環境大気の形成と汚染物質
7 講義環境大気汚染(2) 大気分析法と野外調査
8 講義化学と人間環境(1) 化学物質の取り扱い
9 講義化学と人間環境(2) 世界の環境と公害問題
10 講義化学と人間環境(3) 戦争と化学
11 講義エネルギー問題
12 講義化石燃料
13 講義原子力
14 講義持続可能エネルギー
15 講義省エネルギー技術